④同人作家「〇〇冊完売」の投稿が税務調査呼び込む
SNSが思わぬ形で調査の糸口になるのは、同人作家の世界でも同様である。
コミックマーケットなどで自作のイラスト集を頒布していたクリエイターが、「○○冊完売」「今回の売上は〇〇万円」といった具体的な数値をSNSで報告していたところ、実際にはその収入を申告していなかったことが問題となった。
投稿の意図は、あくまでファンへの報告にすぎなかったのだろう。しかし、税務署にとっては売上の裏付け情報そのものである。特に、定期的に同人活動を行い、反復・継続性や営利性が認められる場合には、事業所得としての申告義務が生じる。
公然と行われていた売上報告が、結果的に申告漏れを裏付ける材料となった典型例である。
⑤SNSの旅行写真と同時期の帳簿に「出張費」「接待費」
何気ない投稿が、調査で疑念を招くこともある。たとえば、家族旅行の様子をSNSに掲載している一方、同時期の帳簿には「出張費」や「接待費」が並んでいる場合だ。
調査官は私的支出の経費化を疑い、詳細な説明を求める。誰と、どこへ、何の目的で行ったのか。領収証の中身まで精査されることになる。投稿がなければ問題にならなかった可能性も、SNSの存在によって表面化する。
