25年前の11月、愛知県一宮市で小学4年生の女の子が姿を消した。学校から帰宅後に、「友だちの家に遊びに行く」と出かけたのが最後だった。
多くの目撃情報もあったが、確証がないまま時間だけが過ぎ、有力な手掛かりが得られることはなかった。女の子はどこへ消えたのか…。
誰にでも話しかける人懐っこい性格で、知らない人に小遣いをもらったり、声をかけられて他人の車に乗ったこともあったというが、いまどこで何をしているのか。
愛知県警はこれまでに行方不明になった現場周辺で延べ約1万5000人以上の捜査員を投入し捜索を続けているが、解決には至っていない。
※この記事は、『謎と闇に覆われた恐怖の未解決ミステリー』文庫版より一部抜粋・構成しています。
集団下校で帰宅後、「遊びに行く」と家を出たまま…
2001年11月12日、愛知県一宮市萩原町に住む市立中島小学校4年生の佐野由香利ちゃん(当時10歳)が行方不明になった。彼女は三人姉弟の末っ子で、この日の16時30分頃、集団下校で帰宅。玄関先で中学1年の兄(同13歳)に「友だちの家に遊びに行く」と言って家を出たままこつ然と姿を消す。このとき、友だちの名前は口にしていなかったそうだ。
失踪時、由香利ちゃんは身長約135センチ、体重約25キロ、やせ型で顔は面長、黒髪で肩までの長さ。服装は紺色の三つボタンの制服、黒色ズボン、丸首トレーナーで運動靴を履き、リュック代わりに使用していた登校用の赤いランドセルを背負っていた。
自宅から500メートルほど離れた路上で、新聞店の女性店員と顔を合わせ「おばちゃん、仕事終わったの? 今日は寒いね」と声をかけたのが17時10分頃。女性は「うん、寒いね。早くお帰り」と返したそうだ。
17時30分頃、自宅近くを歩く姿を目撃されており、18時頃、自宅から約100メートル離れた友人宅へ。遊びに誘ったが、「今日はもう遅いので遊べない」と断られている。
その後、自宅とは逆方向へ歩いているのを近隣住民が見ており、これが最後の確実な目撃証言となった。
翌日に失踪届を提出し、自宅周辺の捜索が始まったが
遊びに出かけても普段は18時半には帰宅していた娘が戻ってこないことを心配した母親が翌13日13時頃、愛知県警稲沢署に失踪届を提出し、14日朝から通学路や自宅周辺の捜索が始まる。
同日18時半頃、そろばん塾帰りの同じ小学校に通う小5の女児がコンビニ前で由香利ちゃんらしき後ろ姿の少女を見かけ、「由香利」と声をかけたが、少女は目が合った途端、慌てたように走り去った。
この少女が由香利ちゃんだったかどうかは不明で、さらに夜にも自宅から約800メートル離れたコンビニ前で、由香利ちゃんに似た女の子が複数の住民に目撃されているが、これも確証はない。
その後も警察は捜索を続けたものの、有力な手がかりは得られず仕舞いだった。
見つかった日記には「おじさん」が複数登場し、接点も…
一方、警察は由香利ちゃんの自宅から彼女の日記帳を見つけ注目する。そこには「トラックのおじさん」や「近所のおじさん」など複数のおじさんが登場し、中には家に上がり込んだおじさんがいることも記されていた。
母親の証言によれば、由香利ちゃんは誰にでも話しかける人懐っこい性格で、知らない人に小遣いをもらったり、声をかけられて他人の車に乗ったこともあったという。
こうした状況から警察は「おじさん」が失踪に関与している可能性もあるとみて、自宅近くの県営住宅に住む、該当すると思しき複数の男性に対し徹底的な聞き込みを行ったが、有力な情報は得られなかった。
失踪からすでに25年。愛知県警はこれまで行方不明になった周辺現場で延べ約1万5000人以上の捜査員を投入し捜索している。
その間、「名鉄電車でよく似た子がいた」など愛知県内での情報提供も複数あったが、いずれも解決に繋がるものではなかった。
由香利ちゃんが自分の意思で家出する理由はどこにもない。であれば、やはり何者かに拉致されるなど事件に巻き込まれた可能性を疑ってしかるべきだろう。
いま現在も愛知県警一宮署は由香利ちゃんの行方を追って捜査を続けている。

