「相当の地代」で成立する資産移転スキーム
以上を踏まえると、次のような結論が導かれます。
まず、子供が所有する土地の上に母親が賃貸用建物を建築し、土地賃貸借契約を締結したうえで、母親が子供に対して更地価額の6%相当額などの「相当の地代」を支払う場合です。母親と子供が生計を一にしていれば、この地代は母親の不動産所得の必要経費とはならず、同時に子供の不動産収入にもなりません。また、子供が負担する土地の固定資産税は、母親の必要経費となります。
その結果、実際に地代の支払が行われていても、子供には課税が生じないことになります。
借入れを伴うケースでも適用される56条の効果
次に、子供が銀行から借入れを行って土地を購入し、その土地の上に母親が賃貸用建物を建築して土地賃貸借契約を締結し、子供に「相当の地代」を支払う場合です。
このケースでも、子供が受け取る地代には課税されません。一方で、子供が銀行に支払う借入金利息については、母親の不動産所得の計算上、必要経費として控除することができます。その結果、所得税法56条を適用することにより、子供の名義で財産を形成することが可能となります。
