男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:“お家デート”まで話が進んでいたのに…日時を決めようとしたら彼女が既読スルー。その理由とは?
遼太郎との関係は、一度は終了し完全に諦めていた。
でも今、恵比寿ガーデンプレイスのセンター広場に君臨している煌びやかなバカラのシャンデリアが私たちを照らし出すなか、遼太郎から告白されている。
「真子ちゃん、僕と付き合ってほしい」
より一層、イルミネーションが輝いているように感じられる。
「え …?」
私が驚いたのには、理由がある。なぜなら遼太郎からの連絡が2ヶ月ほどなくなった時期があるからだ。
でもこうして、遼太郎は私に告白をしてきてくれた。だから私は満面の笑みで、大きくうなずく。
「本当に?嬉しい……」
でも一度失い、途絶えたはずの恋が、どうして復活を遂げ実ったのだろう。
Q1:男が一度、「この先関係を進めない」と決めた理由は?
遼太郎と出会ったのは、マッチングアプリだった。慶應卒で、総合商社に勤める32歳、身長は180cmある。高身長・高学歴・高収入が見事にそろっている遼太郎をアプリで見つけたとき、私は思わず「いいね」を押していた。
私のプロフィールは音楽関連会社勤務の27歳。横浜にある女子大出身…と、特に目を引くものがなかった。それでも彼からも連絡が来て、会うことになった私たち。
実は今まであまりアプリを使ってこなかったため、実際に会うのは遼太郎が初めてだった。
初めての待ち合わせは、外苑前にあるカフェだった。
「初めまして、遼太郎です」
「初めまして、真子です」
最初はぎこちなかった私たちだけれど、限られた時間の中で、いかに好印象を残すか。それが大事だとマッチングアプリをよく使っている友人から聞いていたので、私なりに一生懸命頑張った。
「遼太郎さんは、都内ご出身なんですか?」
「僕は愛知です。真子さんは?」
「私は実家が目黒にあって」
「えぇ、めっちゃお嬢じゃないですか」
「いえいえ、全然ですよ」
遼太郎のオーバーリアクションが面白くて、私は思わず笑ってしまった。それにつられて、遼太郎も笑う。
「真子さんって、めちゃくちゃ可愛らしいですね。ほわっとしているというか…怒ることとか、ありますか?」
「怒ること?ほぼないですね…」
「ですよね。そんな感じがします」
私は話し方がゆっくりしているため、そう言われることが多い。基本的に怒ることはないけれど、自分ではどちらかというとワガママな方だと思っている。
あっという間に1時間くらい経ち、何となく解散の流れとなった。
「よければ、次はお食事でもどうですか?」
「はい、ぜひ」
こうして、順調に食事まで進んだ私たち。でもそのデートで、私は何かしてしまったらしい。
ディナーデートは恵比寿にあるイタリアンを予約してくれていた遼太郎。
「素敵なお店の予約、ありがとうございます」
「いえいえ。来てくれて、ありがとうございます」
「真子さんは、お食事は何が好きですか?先に聞けば良かったと思ったのですが…」
「イタリアン、好きなので嬉しいです!あとは…料理ではないですが、カフェ巡りとか好きです。遼太郎さんは何が好きですか?」
「カフェ、いいですね。僕は料理のジャンルでいうと和食が好きかな」
そこから、お互いの週末の過ごし方や好きなタイプを話し合う。ただ私は話が得意な方ではない上、遼太郎はとても話し上手だったので、ついつい聞き役になってしまう。
― あれ?これって、遼太郎さんが盛り上げてくれている事になっているよね…?何か話さないと。
そう思うけれど、終始遼太郎が気を使って話をしてくれる感じで終わってしまった。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ。また、ご飯行きましょうね」
そう言って、解散した私たち。でも私は心の中で、なんとなくわかっていた、“また今度”がないことを。
実際に、この後LINEでお礼のやり取りを数回しただけで終わってしまった。
遼太郎から誘ってくれないか期待していたが、そんな気配もなくそのまま2ヶ月ほど音信不通になってしまった。
でも神様は見ていてくれたらしい。この後、私に奇跡が起こったのだ。
Q2:男が交際を決めるキッカケとなった言動は?
あれは、12月1週目の週末のことだった。表参道にある『TWO ROOMS』で学生時代から仲の良い美春と、二人で飲むことになった。
「相変わらずここのお店は素敵だよね」
「素敵だね。写真撮ろう〜っと」
そんなことを言いながら二人でテラス席で写真を撮っていると、ふと見覚えのある顔がお店に入ってきた。まさかの、遼太郎とその友人だった。
「あれ?遼太郎さん…?」
「え!真子ちゃん!?どうしたの?何してるの、ここで」
「私は今友達と軽く飲みながらご飯食べようとしていて…」
「…良ければ、一緒にどう?こっちも男二人だし。あ、でも嫌だったらもちろん全然大丈夫」
美春の方を向くと、美春は「OK」と言っている。そこで私たちはお店のスタッフにお願いして、4人席にしてもらい、みんなでご飯をすることになった。
「遼太郎さんと、友人の美春です」
「こちら、僕の友人の真子ちゃんで。こちらは、僕の同期の慎二です」
「初めまして〜」
お互いの友人を紹介し合い、わいわいと盛り上がる。慎二さんもとても良い人で、すごく気遣いができる人だった。
そしてさらに、二人の同期だという梨花さんという女性も、22時過ぎから合流することになった。
「どうも〜二人がお世話になってます!」
良い感じで酔っ払っている梨花さんに、最初は圧倒されていた私たち。でも話をしているうちに、彼女もとても素敵な女性だということがわかった。しかも梨花さんは最近結婚されたばかりで、二人にお祝いのシャンパンをねだりに来たらしい。
「ちょっと、そこのメンズ二人!シャンパンよろしく」
梨花さんに顎で使われる男性陣二人の姿が面白くて、私は思わず笑ってしまった。
「梨花さん、最高ですね」
そう言うと、サバサバとしている梨花さんは酔っているのか、私を気に入ってくれたのか、すごく褒めてくれる。
「真子ちゃん良い子だね〜。真子ちゃん、何飲みたい?」
「そんな、お気遣いなく。むしろ梨花さんが飲みたいものをご一緒に頂きます」
「真子ちゃんって、めちゃくちゃ気遣いできる人だね。さっきから細かいところに目がいくというか…」
「そうですか?」
自分ではわからないけれど、梨花さんの目にはそう映ったらしい。悪いことではないので、私は嬉しくて思わずニコニコとしてしまう。
「今日、ご一緒させて頂きありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ。突然私が入って、お邪魔じゃなかった?」
「むしろ大歓迎です!」
慎二さんも梨花さんも良い人だし、美春がいたおかげか、お酒のせいなのか…。私はすっかり気分が良くなり、終盤になるとだいぶ楽しくなってきてしまった。
「真子さん、今日ご機嫌ですね。ずっと笑ってる」
遼太郎にそう言われて、私は思わず頬を赤らめる。
「そうですか?やだ、恥ずかしいな。でも楽しくて」
「真子さん、この前静かだったから、楽しくないのかなって心配していたんです」
「そんなことないですよ!すっごく楽しかったです。でも緊張していたというか…私、話すのもそんなに上手くないので、逆に大丈夫だったかなと思って。だから今日、遼太郎さんに偶然でも会えて、本当に嬉しいです」
「そうだったんですね。それなら良かった」
「とりあえず…もう一度、乾杯しますか?みんなで」
「そうしましょう」
こうしてみんなでもう一度乾杯し、楽しい夜は更けていった。
この翌日。遼太郎の方から連絡をくれて、二人で再度食事へ行くことになった。
その後何度かデートを繰り返した結果、まさかの告白をしてきた遼太郎。すごく嬉しかったので、私は心の底から今幸せを噛み締めている。
でも、一度は完全に終わったはずだった。可能性も、ほぼゼロに近いと思っていた。
それなのに、どうしてこうして付き合えることになったのだろうか…?
▶前回:“お家デート”まで話が進んでいたのに…日時を決めようとしたら彼女が既読スルー。その理由とは?
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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時間が経ってから、男が女に対して興味を持った理由は?

