義両親の事情をわかろうとすると心がスッキリするかも

まずは(1)義両親について。かわいい我が子(sayさんのご主人)の言うことをうのみにしている義両親は、sayさんに息子を取られたと、今でも思っているかもしれません。息子をバトンのようにsayさんに渡して、親としてお役御免になったと割り切れず、上手に子離れができていないのです。
また、75歳は終戦直後に生まれた昭和世代で、“出る杭は打たれる”“他人と違ったことをしない”が世渡り術として通用していた時代です。今流に言えば「同調圧力」ともいえます。
異なった意見に耳を傾けたり、疑問を持つ心の扉が開いたりすることがなかなかありません。結果として、(親族を含めた)仲間の言ったことをそのまま信じる傾向があります(特殊詐欺の犯人はこれを逆手に取っているのでしょう)。
しかし、昭和に流行した講談にも「片言極め難し」(へんげんきわめがたし)というせりふがたびたび登場します。一方の話だけを聞いて判断するのはとても難しいという意味です。
私が30代の頃、檀家のおばあちゃんが「うちの嫁は仏様(ご先祖のこと)はホットケ(放っておけ)様で、何もしてくれないんです」と愚痴をこぼしました。それをうのみにした私は「そうですか。お嫁さんも関心を持ってくれるといいのにね」と答えたことがあります。
数週間後、お寺に来たおばあちゃんは得意そうに「嫁に『住職さんも、あなたはもっとご先祖のことに関わりを持った方がいいって言っていたわよ』って言ってやりました」と私に報告しました。
以後、お嫁さんの私に対する態度がしばらくよそよそしくなったのは言うまでもありません。おかげで「片言極め難し」を痛感し、片方だけの言葉で物事を判断しないよう努めるようになりました(今回のご相談もsayさんからの片言ですが、それを承知で回答させていただいています)。
義両親も75歳になれば、息子からの片言を承知の上で、「親も含めて、他人の前で女房の悪口など言うものじゃない」「嫁の悪口を言えば、私たちが喜ぶとでも思っているの?情けない男だね」と諭してほしいですね。
しかし、sayさんの文面からすると、義両親にそのような対応を望むのは難しそうそうです。
ご両親が育った時代背景や高齢であることを考えると、これまでの自分の生き方や考え方を軌道修正する勇気や気力はあまりないかもしれません。
そうした事情をわかろうとしてあげるだけで、義両親へのいらだちは心の整理箱にしまわれ、心がいくらかスッキリするでしょう。
ご主人には釘を刺し、自分の現状や希望を伝えてみること

次に(2)ご主人についてです。私がsayさんの立場なら、ご主人に穏やかな口調で、次のように抜けない釘を刺すでしょう。
「実家へ帰って私のことを冗談にでも悪く言えば、あなたの親は自分の子どもを守ろうと、あなたの言葉を信じて私を悪者にしたくなるでしょ。そして、あなたは、自分が悪者に仕立てた私を、かばおうとも、弁護しようともしない……」
「このままだと、私とあなたの両親がどんな関係になるか、私とあなたがどうなるか、予想するのは難しくないと思うんだけど。そして、あなたがそうなるのを望んでいるとは思いたくないんだけど……」
――こんなことを言われたら、私ならビビって、以後二度と実家で女房の悪口は言わないでしょう。
それを伝えた上で、事態の緊急性を認識していないご主人に、ご主人の軽いノリが原因でsayさんの心身が不調になってしまった現状から義両親と距離を置きたい旨を、お伝えになられた方がいいでしょう。

