「いらっしゃいませ!」小さな店長たちが学ぶコミュニケーション
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いよいよ本番。開店の合図とともに、会場は活気に包まれます。普段は恥ずかしがり屋の子が、勇気を振り絞って「いらっしゃいませ!」と声を張り上げる姿には、親ならずとも胸が熱くなるものです。
ここでは、学校では教わらないリアルなコミュニケーションが飛び交います。 これ、ちょっと安くならない? という見知らぬ子からの値切り交渉に、どう対応するか。
「10円ならいいよ」「ごめんね、無理だよ」と自分の意志で決断し、相手に伝える。断られてもめげずに次の策を考える。そんな生きたやり取りが、子どもたちの度胸と対応力を鍛えていきます。
そして、お金の計算も真剣そのもの。電卓を使わず、暗算でお釣りを計算します。100円の商品を売って、500円玉をもらったからと指を折って考える時間は、ドリルを解く何倍もの集中力を発揮する瞬間です。
イベント終了後には収支シートをつけることも多く、売上から出店料などの経費を引いて、最終的にいくら儲かったのか(あるいは損をしたのか)を確認します。お金を稼ぐのは大変だけれど楽しいという労働の対価としての実感を、重みのある小銭とともに持ち帰ることができるのです。
買う側にも学びがある。選択と決断の練習
キッズフリマは売る体験だけでなく、買う体験も重要です。限られたお小遣いを握りしめて会場を回る子どもたちの前には、誘惑があふれています。
本当にこれが欲しいの? 壊れていないかな? あっちのお店も見てから決めようかな?
欲しいものをすべて買うことはできません。予算内で何を優先するかという選択と決断を迫られます。 時には、勢いで買ったけれど動かなかった、迷っている間に他の子に買われてしまった、という失敗もするでしょう。
しかし、数百円の痛みで済む子どものうちにこうした失敗を経験しておくことは、将来、大きな買い物をする時のリスク管理能力に繋がります。賢い消費者になるためのトレーニングが、そこには詰まっているのです。