圧迫感がなく、ホテルの一室のような部屋。スタイリスト・竹内万貴さんの暮らしのこだわり。

圧迫感がなく、ホテルの一室のような部屋。スタイリスト・竹内万貴さんの暮らしのこだわり。

発想を転換させる実験場。

 東京・西荻窪。築10年ほどの部屋は真っ白の壁にコンクリートの床、ステンレスのキッチンがしつらえられた、凛とした空間だ。家主の竹内万貴さんは、以前は築50年の古い物件に8年ほど暮らしていたというから、ビッグチェンジだ。

「古いものが好きで、生活道具も渋めな感じ。前の家はそうしたものが馴染む部屋だったのですが、ちょっと冒険してみようかなって」

 インターネットでたまたま見つけたのが今の部屋。真っ白で真四角の空間が“一枚の画用紙”に見えた。

目覚まし時計は底面にマグネットを付けて固定。クリップ式のライトを使うなど、サイドテーブルがなくてもいいよう工夫。
収納の代わりにキッチンワゴンが付いたキッチン。可動式で使いやすい。
バススペースはすりガラスで仕切られていて、玄関からバスタブは見えない仕様。
木製の古家具の上は小さなアートスペース。『山の上ホテル』から学んだ部屋づくりの極意のひとつ。

「ここに自分の家具や持ち物を入れたらどう映るんだろう? そこで暮らしている自分はどんな感じ?と好奇心が湧いてきて。仕事でも少し物足りなさを感じていた時期で、既存の考え方に何かを当てはめていくのではなくて、変幻自在のしなやかな発想を持ちたいなと思っていて」

 とはいえ、不安がなかったわけではない。居住空間と地続きにある浴室はその最たるもの。そもそもこんな小さな部屋で快適に暮らせるのか、入居した後も不安だった。

「転居してすぐ、『山の上ホテル』に宿泊したのですが、広くはない部屋に重厚な家具がいくつも収まっているのに、圧迫感がない。何を選んで、どう配置するかで居心地は決まるんだと気づいたんです。それからは『シングル1泊1万円』の居心地を目指すことにしました」

 古い和家具の上には絵や陶磁器を飾り、起きてすぐ整えるベッドの上にはインドの手織り布を掛ける。どこにいても部屋全体が目に入るからこそ、いつも細部まで気を配る。

「高級すぎず、でも寂しさを感じない、清潔なホテルの一室。それにはこのサイズ感がぴったり。今は毎日を新鮮な気持ちで過ごしています」

シンプルな23.5㎡のワンルームの一角にバスルームまで収まっているユニークな間取り。洗面スペースはキッチンと横並びの位置。

竹内万貴スタイリスト

新聞社勤務を経て、ギャラリー『而今禾』に勤務。現在はスタイリストとして雑誌や料理本を中心に器のセレクトやテーブルスタイリングを専門に活動。

photo : Kazumasa Harada edit & text : Yuriko Kobayashi

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配信元: & Premium.jp

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