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【プロが解説】自宅で「極上の一杯」を育てよう! チャノキ(茶の木)の育て方から茶葉にするまで

【プロが解説】自宅で「極上の一杯」を育てよう! チャノキ(茶の木)の育て方から茶葉にするまで

チャノキの栽培環境

チャノキ

適した環境・置き場所

1日中日光が当たる日なた、または午前中だけ日光が当たる半日陰の場所が適します。夏は半日陰のほうが栽培しやすいです。鉢植えは夏は半日陰に置き、他の季節は日なたで管理するとよいでしょう。

明るい日陰でも育ちますが、枝は間延びしがちです。また、病害虫の発生も多くなるので気をつけましょう。

土壌

排水と通気性がよく、適度に水分を含む酸性土壌を好みます。特に排水性が生育に影響しやすいです。

生育温度

10~25℃で生育が盛んになり、14~16℃が最も適した温度です。40℃以上になると葉焼けします。

冬越し

最低温度の目安はマイナス13~マイナス15℃です。東北地方より南に位置する地域まで栽培が可能です。しかし、北海道でも南部などの条件のよい場所では、屋外で越冬することが確認されています。

チャノキの植え付け・植え替え

チャノキ
Scorpp/Shutterstock.com

植え付け

強い主根を持ち、1mくらいの深さまで根が伸びるので、移植は難しいです。移植する必要がないように植え付ける場所は慎重に選んでください。

4~5月が植え付けの適期です。植え付けは、深さと幅ともに50~60cmの穴を掘り、掘った土量に対して3割程度の腐葉土を混ぜて苗を植えます。植え付け後、株回りに敷き藁をして乾燥を防ぐとよいでしょう。多くの苗を植えた場合は、マルチングすると除草の手間も省けます。

鉢植えの植え替え

鉢植えでもよく育ちますが、前述の通り根が深く伸びるため深型の鉢を使うとよいでしょう。入手した苗は、すぐにそのまま1~2回り大きな鉢に植え替えてください。

植え替えは、2年に1回、4月に行ってください。植え替えを怠ると、根詰まりして生育が衰えます。植え替えの際は、根鉢の底と表層の部分を1/3程度落とし、新しい用土を足しながら1~2周り大きな鉢に植え替えてください。

用土

排水がよく、適度に水持ちのよい用土が適します。赤玉土小粒4、鹿沼土3、腐葉土3を混ぜた用土などを使います。8号以上の鉢を使う場合は、赤玉土は中粒を使うとよいでしょう。

チャノキの育て方・日常の手入れ

チャノキ
afotostock/Shutterstock.com

水やり

ひどい乾燥を嫌うので、地植えした場合でも夏に土壌が乾燥したら水やりしてください。

鉢植えは、用土の表面が乾いてから水やりします。夏によく乾燥する場合は、晴れた日は毎日水やりしてもよいでしょう。

肥料

2~3月に、骨粉入りの油粕などを株元に与えます。生育を旺盛にしたい場合や鉢植えは、5~6月と9月下旬頃にも肥料を与えるとよいでしょう。

病害虫

春から夏頃にかけて、葉にチャドクガの幼虫が発生します。葉の裏などに集団で付き、葉をひどく食害します。発生した箇所を取り除き、薬剤で防除します。

幼虫には有毒の毛がびっしり付いており、風で飛んだ毛が肌にふれるだけでかぶれることがあります。作業の際は十分注意してください。

チャノキの作業

チャノキ
Keaw Thewin/Shutterstock.com

剪定と仕立て方

剪定の適期は3~4月です。収穫を主な栽培目的とする場合は、低めの樹高を保ちます。植えてから10年くらい経過すると、新芽の発生が衰えてきます。その際は、半分くらいの高さまで全体を切り戻すとよいでしょう。その後は5年間隔くらいを目安に強く切り戻します。

自然樹形で楽しみたい場合は、あまり剪定しなくても形が整いやすいです。内側に向かって伸びる枝や混みすぎた部分は、見つけ次第、付け根から間引くように切ります。

花芽は、春から伸びた新しい枝に夏に分化します。花を咲かせる場合は、春に剪定を済ませてください。

増やし方

挿し木で増やすことができます。6月に新しく伸びた充実した枝を10~15cmの長さで切り取り、上部の葉を2~3枚残して葉をすべて切り落とし、挿し穂とします。赤玉土小粒や鹿沼土などの清潔な用土に挿し、明るい日陰に置きます。乾かさないように管理し、湿度の低い場所ではビニールなどで覆うとよいでしょう。1~2カ月ほどで発根したら、3号ポット鉢に1株ずつ鉢上げしてください。鉢上げの用土は、赤玉土や鹿沼土にピートモスを3割程度混ぜた用土などを使うとよいでしょう。

チャノキの栽培ポイント

お茶の栽培
  • 水はけの悪い場所は避ける
  • 強い乾燥を嫌う
  • チャドクガの発生に注意
  • 花を咲かせるには、春に剪定を済ませる

収穫した若い葉は、含まれる酸化酵素の働きで発酵が進みます。緑茶にする場合は、収穫してすぐに蒸すなどして熱を加え、手もみしながら乾燥させて茶葉にします。緑茶とは違う味わいになりますが、生の葉をそのまま使ってお茶にしても飲むことができます。またおひたしや天ぷらなど、食用にも利用できます。

生け垣としても優れ、白い花も咲き、観賞価値が高いです。意外と栽培適地が広く、育てるのも難しくありません。飲用や食用、観賞用とさまざまに楽しめるチャノキを、ぜひ家庭で栽培してみてください。

Credit 文 / 小川恭弘 - 園芸研究家 - おがわ・やすひろ/1988年、東京農業大学農学部農学科卒業。千葉県館山市の植物園「南房パラダイス」にて観葉植物、熱帯花木、熱帯果樹、多肉植物、ランなど温室植物全般と花壇や戸外植物の育成管理のほか、園全体のマネジメントなどの業務に18年携わる。現在フリーランスとして活動。著書に『わかりやすい観葉植物』(大泉書店)、『ハイビスカス』(NHK出版)がある。

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