今週のテーマは「一度はダメだったはずの相手。それなのに、男から告白された理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:2回のデートで終わったはずの関係が“復活”。商社マンが27歳女性の良さを再認識したワケ
正直に言うと、最初は違うと思った。いい子だし育ちも良いし、優しいし可愛い。
でも、それ以上でもそれ以下でもなかった真子。
しかし二度会ったあと連絡が途絶えていたのに、偶然会って、みんなで飲んでから僕の中で大きく彼女の印象が変わった。
「真子ちゃん、僕と付き合ってほしい」
そう言って、僕はイルミネーションが綺麗に輝く恵比寿で、正式にお付き合いを申し出た。真子もOKをくれて、見事にマッチングが成功したことになる。
ただ、どうして一度は何もなく通り過ぎたのに、彼女の印象が変わったのか?
女性に言うと、「そんなことで?」と怒られるようなことかもしれない。でも男性が付き合うことを決めるキッカケとなることは、意外と単純なことなのだ。
A1:そこまで大きく盛り上がらず、何も引っ掛からなかったから。
真子と出会ったのは、マッチングアプリだった。商社勤務の32歳という悪くないプロフィールのおかげか、正直たくさんの女性から「いいね」が来た。
そんななか、目に留まったのが真子だった。
音楽関連会社勤務の27歳で、1枚目はカフェで撮ったと思われる可愛らしい笑顔の写真で、2枚目はピアノを弾いている写真。横浜にある女子大出身…というところまで、隅々から育ちの良さが伝わってくる。
僕が「いいね」を返してメッセージのやり取りが始まり、早速会うことになった。
待ち合わせ場所の外苑前のカフェに、白いコートでやってきた真子は、ふんわりした雰囲気で写真そのままだった。マッチングアプリで出会う人は、第一印象が大事だと思う。
その点、真子は初対面の印象がとても良かった。
「初めまして、遼太郎です」
「初めまして、真子です」
簡単な挨拶を済ませて、色々と話をした。
「遼太郎さんは、都内ご出身なんですか?」
「僕は愛知です。真子さんは?」
「私は実家が目黒にあって」
「えぇ、めっちゃお嬢じゃないですか」
「いえいえ、全然ですよ」
話せば話すほど、上品で柔らかな真子。「素敵な人だな」という印象が強く残っていく。
「真子さんって、めちゃくちゃ可愛らしいですね。ほわっとしているというか…怒ることとか、ありますか?」
「怒ること?ほぼないですね…」
「ですよね。そんな感じがします」
ただ気がつけば、僕がひとりで話す時間が多かった気がする。だから僕はちゃんと彼女の話を聞きたいなと思い、食事へ誘ってみた。
「よければ、次はお食事でもどうですか?」
「はい、ぜひ」
こうして、次は本格的なデートをすることになった。
その日、僕は恵比寿にあるイタリアンを予約したのだけれど、この日も真子はふわっとした上品な雰囲気が漂っていた。
「素敵なお店の予約、ありがとうございます」
「いえいえ。来てくれて、ありがとうございます」
「真子さんは、お食事は何が好きですか?先に聞けば良かったと思ったのですが…」
「イタリアン、好きなので嬉しいです!あとは…料理ではないですが、カフェ巡りとか好きです。遼太郎さんは何が好きですか?」
「カフェ、いいですね。僕は料理のジャンルでいうと和食が好きかな」
ただ、今日も途中で気がついた。僕ばかりが話していることに。
― あれ?もしかして、このデートつまらない?
いい子だし悪い点は何もない。ただ逆に、だからこそ何か特別に「すごい面白い!」とか、興味が湧くといった感情があまり生まれてこなかった。
言うならばサラサラと、穏やかに時間が流れていく。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ。また、ご飯行きましょうね」
まったく悪くはないし、結婚するなら真子のような子がいいのだろう。でも特別引っかかりもなく、向こうが楽しいと思ってもらえたのかどうかも不明だ。
だから何となく、このデートで終わってしまった。
でも偶然の導きなのか、僕たちはもう一度出会うことになる。
A2:同性からの評価がとても高かったから。
真子とのデートのあとなんとなく連絡が途絶えて、2ヶ月ほど経った頃。
僕は、同期の慎二と『TWO ROOMS』で飲むことになった。すると、店内のテラス席に、真子がいたのだ。
「あれ?遼太郎さん…?」
「え!真子ちゃん!?どうしたの?何してるの、ここで」
「私は今友達と軽く飲みながらご飯食べようとしていて…」
ちょうど真子も女友達と二人だったので、思わずこう誘ってしまった。
「…良ければ、一緒にどう?こっちも男二人だし。あ、でも嫌だったらもちろん全然大丈夫」
しかし真子もその友達もすぐにOKをくれて、店員さんに確認して僕たちは4人で飲むことになった。
「遼太郎さんと、友人の美春です」
「こちら、僕の友人の真子ちゃんで。こちらは、僕の同期の慎二です」
「初めまして〜」
お互いの友人を紹介し合い、和気あいあいと盛り上がる。今日の真子は、前回のデートと違い、なんだか陽気で楽しそうだ。そんな真子を見て、思わず僕も笑顔になる。
そして場がだいぶ和んだあたりで、先日結婚したばかりの、同期の梨花が乱入してきた。
「どうも〜二人がお世話になってます!ちょっと、そこのメンズ二人!シャンパンよろしく」
酔っ払っている梨花の相手が若干面倒になっていると、真子が丁寧に対応してくれている。その姿を見て、僕は感動してしまった。
そして何より、真子はずっとニコニコとしていた。
「真子さん、今日ご機嫌ですね。ずっと笑ってる」
「そうですか?やだ、恥ずかしいな。でも楽しくて」
そう言いながら、少し恥ずかしそうにする真子は、とても可愛い。
「真子さん、この前静かだったから、楽しくないのかなって心配していたんです」
「そんなことないですよ!すっごく楽しかったです。でも緊張していたというか…私、話すのもそんなに上手くないので、逆に大丈夫だったかなと思って。だから今日、遼太郎さんに偶然でも会えて、本当に嬉しいです」
― そうだったんだ。
つまらないのかと思っていたから、真子の本音が聞けて嬉しい。何より、こんなにも喜んでくれる真子を見て、僕の心は薪で炊いたストーブのように、じんわりと温かくなっていく。
「そうだったんですね。それなら良かった」
「とりあえず…もう一度、乾杯しますか?みんなで」
「そうしましょう」
こうして、楽しい夜は更けていった。
そして帰り際、真子と美春の二人をタクシーに乗るところまで見送ると、残された梨花と慎二が妙に感動している。
「いや〜真子ちゃん、良い子だわ」
「ね。可愛いし、ああいう子と結婚したら幸せな家庭を作れるんだろうなぁ」
二人の好評価に、僕はなぜか鼻高々になる。すると、さらに梨花が付け加えてきた。
「お世辞抜きで、真子ちゃん良い子だと思う。私に対する対応も素晴らしいし、計算がないというか…純粋に遼太郎のこと好きそうだし、すごくいいじゃん。この東京で、特にこの界隈で中々いないよ、あんないい子」
梨花が真子のことを大絶賛しているのを聞いて、「同性の評価がここまでいい子ってすごいな」と思った。特に手厳しい梨花からのお墨付きを得られた真子は、本当に良い子なのだろう。
男なんてしょうもないプライドを持っている生き物だから、意外に周囲からの評価は気になるもの。
同期の慎二からも、真子と同性である梨花からも好評価の真子のことを、見直さずにはいられなかった。
何よりも、今日会って印象が変わった真子。この前のデートでは緊張していただけだと言うこともわかり、逆に純粋で信頼ができるなと思った。
そんなことを思っていると、なんとなく真子との結婚もイメージできた。そろそろ腰を据えて落ち着きたいと思っていた僕は、もう一度、真子をデートに誘ってみることにした。
そして何度かデートをしているうちに、彼女の良さがどんどん見えてきたので、僕は真子に真剣交際を申し込むことを決めた。
▶【Q】はこちら:2回のデートで終わったはずの関係が“復活”。商社マンが27歳女性の良さを再認識したワケ
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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年末年始の憂鬱とは

