
高齢期の資産運用において、保有する投資信託をいつ、どのように整理していくかは、本人や家族にとって切実な問題です。本記事では、塚本俊太郎氏による著書『私が投資したNISA・iDeCoのお金、このままで大丈夫?』(インプレス)より、NISA口座の名義人が亡くなった際の税制上の扱いや、投資信託を相続する際の手続きルールを紹介します。
高齢の親が「投資信託の解約」を拒む…どう説明すべき?
この相談は「80代の親が投資信託の解約を拒んでいるが、資産の値動きや将来的な相続を考えると現金化してほしい」という内容でした。
親御さんは投資で資産を増やすことを楽しみにしているようなので、全部売却するのは少し寂しく感じるかもしれません。ですので、全部売るか・売らないかの2択ではなく、少しずつ売却して投資信託の比率を下げ、預金の比率を上げていく提案がいいでしょう。
例えば、「100-年齢」で得られる数値を株式比率にする方法があります。これは、年齢が高くなるほど、株式比率がゆるやかに下がっていく計算方法です。相談者の親御さんの場合は80代なので、「100-80=20」となり、資産の20%を投資信託、80%を預金とする計算になります。
退職して、高齢世代に差しかかった方は、資産の値動きを抑えるために株式比率を年齢とともに下げていくことをおすすめしています。一度に売却するのはタイミングを含め難しいので、定期売却で売却口数を設定し、株式比率を下げていくのがいいでしょう。
例えば、5年かけて投資信託の80%を現金化するのであれば、現在の投資信託の口数の80%を毎月1/60ずつ売っていく設定にすればいいのです。このようにすれば投資を続けながら徐々に現金化できるので、投資の楽しみがなくなるわけではありません。
ご本人も納得してくれるのではないでしょうか。
NISA名義人の死亡時における運用益の扱い
NISA口座の名義人が亡くなった場合、NISA口座は終了します。
名義人が保有していた金融商品は、名義人の一般口座や特定口座などの課税口座に自動的に移されますが、それまで増えた部分に税金はかかりません。なので、亡くなる前に売却しないと、NISA口座の非課税のメリットが受けられないということではありません。
しかしNISA口座の資産額が高額な場合、相続税が課税される可能性があります。NISAの投資枠をフル活用して、数千万円の資産があるような場合、相続に関する書籍を読んだり、専門家に相談してみるといいでしょう。
