◆③4Eでもまだきついなら、究極の幅広5E
ムーンスター「 SPLT AMM117」。6050円。写真は公式HPよりムーンスター「SPLT AMM117」(6050円)。4Eでもダメなら5E。JISでは「F」にランク付けされる究極の幅広ですが、日本のムーンスターがしっかりカバーしているのはさすが。かなり重い体重を想定しているため、ミッドソールとインソールにもソフトな素材を使っています。ABCマートでは「足裏まくら」シリーズとしても展開していますので、目にする方も多いかもしれません。ニューバランスとどことなく雰囲気が似ていなくもありませんが、こちらは合皮のスエードを使用することでコストをカットしています。目立つロゴもないので、価格よりだいぶ高見えするところも気が利いています。完全にウォーキングシューズとして設計されているので、走るのは不可。とはいえ日常履きや旅行には十分対応できます。ソフトすぎて歩きづらい場合も、カップインソールが取り外せるので硬めのインソールにカスタムも可能です。
◆④本格革靴+4E+フォーマル
スコッチグレイン「シャインオアレイン4E」。4万1800円。写真は公式HPよりスコッチグレイン「シャインオアレイン4E」(4万1800円)。革靴の幅広はなかなかの玉石混交の世界で、革製を謳っておきながら一部に合皮を使っているものも多々あり(しかも法律上はセーフ)、粗悪品が非常に多いジャンルです。靴の設計をしていた立場からあえて言いますが、「革靴が超幅広を謳っていたら疑え」。数少ない例外が国産のスコッチグレインです。シャインオアレインシリーズは名前の通り、全天候型で雨も平気、メンテも簡単で修理もラクと三拍子そろっています。黒のストレートチップは冠婚葬祭やフォーマルな場でも一応は最上級にランク分けされるので、転職や就活用に用意しておいて損はありません。スコッチグレインは革底の4Eシリーズも展開していますが、ガンガン歩けてヒールの中も実は空洞でクッションが効くこちらのタイプが個人的には好みです。
ネットで「超幅広」を宣伝に使うスニーカーや革靴も多いのですが、格安製品はおすすめしません。超幅広=ルーズなつくり、と生産サイドも消費者サイドも勘違いしているところが多く、カカト周りもふまずもルーズなコッペパンのような靴がほとんど。履いた瞬間は痛くはありませんが、歩き続けると確実に靴ずれを起こし、ネンザの原因になるので要注意です。幅広靴であってもカカト周りがユルユルであれば、それはフィットしない靴です。「痛み」だけではなく、「カカトがしっくりくる=本当にフィットしている」という感覚も大事にしてください。
【シューフィッター佐藤靖青】
イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます『シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ』。著書『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』