「健康診断でγ-GTP(γ-GT)だけ高い……」理由はなぜ?γ-GTPはアルコールの過剰摂取だけでなく、脂肪肝、更年期の影響、肝臓や胆道に異常がある場合などさまざまなケースで上昇します。病気の可能性もあるため放置せず、早めの検査を!
γ-GTP(γ-GT)とは?

γ-GTP(ガンマGTP、γ-GT)とは、「γ-Glutamyl TransPeptidase(ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)」の略称で、タンパク質を分解する酵素のことです。胆道から分泌され、肝臓の解毒作用、アミノ酸の生成に関わっているため、肝臓や胆のう、胆道の異常を調べるのに使われます。
γ-GTPの他、ASTやALTも肝臓の機能を調べるために測定される数値です。
γ-GTPの数値は肝臓や胆道の異常によって上昇する
γ-GTPは血液中に含まれ、飲酒量が多い場合や、肝臓や胆道に異常があると数値が上昇します。このことから、人間ドックの際の肝機能の指標とされています。
γ-GTPやAST、ALTといった酵素は肝細胞に傷がつき、壊れたときに血液中に放出されるため、肝機能検査に利用されています。
また、通常であれば肝臓で処理された老廃物は胆管を通って十二指腸へと排泄されますが、胆管に石が詰まると通り道が塞がれ、血液に肝臓や胆管の酵素が漏れてしまい、γ-GTPなどの数値の上昇につながることがあります。
その他、栄養過剰や肥満の影響によって上昇することもあります。
γ-GTPの基準値
γ-GTPの基準値(正常値)は、お酒を飲む人を入れるかどうかで変わってきます。お酒を飲む人は多少なりγ-GTPの数値が高くなるため、70~80 IU/L以下を正常とする考え方もあります。
お酒を飲まない人は多くの場合、30~40 IU/L以下が正常値の範囲の目安です。
また、γ-GTPの基準値は検査を受ける機関によっても異なることがあります。厚生労働省による生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」では、以下をγ-GTPの一般的な基準値として記載しています。
【γ-GTPの基準値】
- 女性……30IU/l以下
- 男性……50IU/l以下
なぜ?γ-GTPだけ高くなる原因や理由

ここでは、「γ-GTPの数値だけが高い」というときに考えられる主な原因をご紹介します。
過度の飲酒(アルコール性肝障害)
他の肝機能検査では問題がないのに、γ-GTPの数値のみが高いという場合にまず疑われるのが「過度の飲酒」が原因によるものです。
アルコールの飲み過ぎによって肝臓に負担がかかると、肝細胞に中性脂肪が蓄積して肥大化し、肝機能に障害が起こり「アルコール性肝障害」になります。
栄養過剰・肥満・薬剤の影響(非アルコール性脂肪肝)
γ-GTPはアルコールの摂取量が多いときに上昇することが知られていますが、「お酒を一切飲まないのに、肝機能検査でγ-GTPだけ基準値よりも高い」という人もいます。
近年、アルコールとは関係なく、栄養過剰や肥満が原因となってγ-GTPが上昇する以下のような病気が増加しており、注目されています。
- 非アルコール性脂肪肝(NAFLD: Non-Alcoholic Fatty Liver Disease)
- 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH: Non-alcoholic steatohepatitis)
この場合、同じく肝機能の指標となるALT(GPT)の数値が上昇することがありますが、正常上限値のこともあります。
また、この他に薬剤性肝障害もあります。

