2024年は「新NISA元年」「歴史的な賃上げ」「物価高継続」と激動の1年でした。2025年も日銀の利上げや「103万円の壁」の引き上げなど、私たちの暮らしに直結する動きが続いています。それでは、2026年の日本経済はどうなるのでしょうか。今回は、景気を左右する3つのカギから、私たちの生活への影響を読み解きます。
2025年の重要な動き
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まず、2024年から2025年にかけて起きた主な変化を振り返りましょう。日銀は2024年3月にマイナス金利政策を終了し、金利のある世界へと舵を切りました。2025年には最低賃金が全国平均1121円となり、過去最大の引き上げ幅を記録。「103万円の壁」も123万円に引き上げられ、パート・アルバイトで働く人の選択肢が広がりました。
一方で、物価高は依然として家計を圧迫し、企業倒産も増加傾向にあります。新NISA2年目を迎えた投資市場では、2025年8月の株価下落で多くの投資家が不安を感じる場面もありました。しかし、10月には日経平均が史上初めて5万円台を突破するなど、明暗が分かれた1年となりました。
2026年の景気を左右する3つのカギ
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それでは、2026年の景気がどうなるかを見極めるために、特に注目すべき3つのポイントを見ていきましょう。いずれも私たちの暮らしに直接影響する重要な要素です。
カギ1:日銀の金融政策「利上げは続く?」
2026年の日本経済における最大の注目点は、日銀がさらに利上げを進めるかどうかです。利上げが続けば、住宅ローン金利の上昇で住宅購入を控える動きが広がる可能性があります。変動金利で借りている方は、毎月の返済額が増える可能性もあるでしょう。
ただし、利上げにはメリットもあります。日銀が金利を引き上げると、銀行も預金金利を上げる傾向にあります。つまり、銀行に預けているお金につく利息が増えるということです。ここ数十年、ほぼゼロだった銀行預金の金利が復活することで、将来に向けた資産形成の選択肢が広がります。
カギ2:賃上げと消費「給料は上がり続ける?」
2026年の春闘でも賃上げの流れは続くと見られています。問題は「実質賃金」です。給料が上がっても、物価上昇がそれを上回れば、実際の購買力は下がってしまいます。
賃上げが物価上昇を上回る「好循環」に入れば消費が活性化し、景気回復が加速します。その一方で、中小企業では人件費の増加が経営を圧迫。価格転嫁をしたくても、難しい状況が続いていることも事実です。2026年は、賃上げと物価のバランスが景気の分かれ目となるでしょう。
カギ3:世界経済の動向「円安・株価はどうなる?」
日本経済は世界経済と密接に繋がっています。特にアメリカの金融政策や中国経済の動向は、為替相場や日本企業の業績に大きく影響します。
例えば、2025年11月には日中関係が緊張し、中国側から自国民への日本渡航控えの呼びかけや、日本産水産物の輸入停止措置などが発表されました。加えて、中国経済は不動産不況の継続などで内需が厳しい状況にあり、2026年の成長率は4%台前半に留まるとの見方が多くなっています。日中は互いに重要な貿易相手国であり、関係悪化の長期化は日本企業の中国ビジネスや訪日中国人観光客の減少など、経済面での影響も大きいでしょう。
また、現在の円安トレンドが続けば輸入品の価格上昇で家計負担が増える一方で、輸出企業の業績は改善します。株価についても、世界経済の不確実性が高まれば、新NISA組を含む個人投資家の運用成績に影響が出るでしょう。アメリカの関税政策の変動、ウクライナや中東などの地政学的緊張、中国経済の減速といった要因が、株式市場を揺さぶる可能性があります。