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冬でも青々とした庭に! 耐寒性に優れた常緑樹「イチイ」の育て方・剪定のコツ・赤い実と毒性まで

冬でも青々とした庭に! 耐寒性に優れた常緑樹「イチイ」の育て方・剪定のコツ・赤い実と毒性まで

イチイの育て方のポイント

用土

土
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【地植え】

植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50cm程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土、堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質などの水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めにすき込んで土壌改良し、土を盛って周囲よりも高くしておくとよいでしょう。土づくりをした後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植え付け後の根張りがよくなります。

【鉢植え】

庭木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。

水やり

水やり
Afanasiev Andrii/Shutterstock.com

水やりの際は、木の幹や枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。真夏は、気温が高い昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって木が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。反対に、真冬は気温が十分に上がった日中に行います。夕方に水やりすると凍結の原因になるので避けてください。

【地植え】

植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるので、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥する場合は水やりをして補いましょう。

【鉢植え】

日頃から水やりを忘れずに管理します。ただし、いつも湿った状態にしていると根腐れしてしまうので注意。土の表面がしっかり乾いてから、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと与えましょう。また、枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は日照りによって乾燥しやすくなるため、必要に応じて朝夕2回の水やりを欠かさないようにします。冬は生育が止まり、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。

肥料

肥料
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【地植え】

イチイを地植えにした場合、肥料を与えるのに適したタイミングは、生育期に入る少し前の2月頃です。有機質肥料を株元から少し離れた周囲にまいて、クワかスコップで軽く耕して土に馴染ませましょう。

【鉢植え】

鉢栽培しているイチイには、3月頃に緩効性化成肥料を株の周囲にまきます。スコップで軽く表土を耕して土に馴染ませましょう。

注意する病害虫

カイガラムシ
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【病気】

イチイに発生しやすい病気は、すす病、根腐れ病などです。

すす病は、一年を通して葉や枝などに発生する病気です。発生すると葉の表面などにつやがなくなり、病状が進むと黒いすすが全体を覆って見た目が悪いだけでなく、葉に広がると光合成がうまくできなくなり、樹勢が衰えてしまいます。カイガラムシ、アブラムシ、コナジラミの排泄物が原因となるので、これらの害虫を寄せ付けないようにしましょう。込んでいる枝葉があれば、剪定して日当たり、風通しをよくして管理します。

根腐れ病は、カビが原因の病気です。根に発生しやすいために、他の病気よりも発見が遅れやすいので注意が必要。日中に地上部が萎れるようになり、株に勢いがなくなっているようなら、根腐れ病を疑います。感染すると根が茶褐色〜黒に変色して枯死していき、地上部に水分や養分を送るのが難しくなって、やがて地上部の茎葉も黄色く変色して枯れてしまいます。株を引き抜いてみると、ほとんど根がついていないこともあるほどです。水はけのよい土づくりが大切で、また株が茂りすぎているようなら適宜間引いて風通しよく管理しましょう。効果的な殺菌剤を利用するのも一案です。

【害虫】

イチイに発生しやすい害虫は、アブラムシ、カイガラムシなどです。

アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4mmの小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、株を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するか、植え付け時に土に混ぜ込んで防除するアブラムシ用の粒状薬剤を利用するのがおすすめです。

カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10mm。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われて薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。

イチイの詳しい育て方

苗木の選び方

イチイ
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がっしりと締まって勢いがある苗木を選びましょう。枝がヒョロヒョロと間のびしているものや葉色が冴えないもの、虫食い痕のあるものは避けたほうが無難です。雌木を手に入れたい場合は、判別できる園芸店で購入するとよいでしょう。

植え付け・植え替え

植え付け
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イチイの植え付け・植え替えの適期は4〜6月か、10月頃です。

【地植え】

土づくりをしておいた場所に、苗木の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後にたっぷりと水を与えましょう。

環境に合って順調に生育していれば、植え替える必要はありません。

【鉢植え】

鉢で栽培する場合は、入手した苗よりも1〜2回り大きな鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから庭木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。軽く苗木の根鉢をくずし、鉢の中に入れて仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出さないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えます。

鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりしてくるので、1〜2年に1度は植え替えましょう。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から木を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を整理し、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。

剪定

イチイ
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イチイの剪定の適期は、7月頃と11月〜翌年3月です。イチイは萌芽力が強く、刈り込みにも耐えます。長く伸びすぎている徒長枝、枯れ込んでいる枝、地際近くから発生するひこばえを選んで切り取りましょう。また、込み合っている部分があれば、内側に伸びている枝、下向きに伸びている枝、垂直に伸びている枝、ほかの枝に絡んでいる枝などを選び、分岐部まで遡って切り取ります。

生け垣にしている場合、膨らみすぎているようであれば、刈り込みバサミで輪郭を刈り取って形を整えます。生け垣の形を美しくキープするには、樹形が乱れきった頃に一気に深く切り戻すのではなく、頻繁に軽く切り戻しを重ねて行うのが密に茂らせるポイントです。

増やし方

種まきポット
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イチイは種まき、挿し木で増やすことができます。ここでは、それぞれの方法についてご紹介します。

【種まき】

イチイは9〜10月に果実をつけるので、熟したら採取して果肉を取り除いた後、流水できれいに洗い流し、そのまま種まきします。もしくは密閉袋に入れて冷蔵庫で保管しておき、翌年3月の生育期まで待ってから種まきしてもよいでしょう。

黒ポットに新しい培養土を入れて十分に水で湿らせます。イチイの種を黒ポットに数粒まいて軽く土をかぶせ、明るい日陰で管理。発芽した後は日当たりのよい場所に置きましょう。本葉が2〜3枚ついたら勢いのある苗を1本のみ残し、ほかは間引いて育苗します。ポットに根が回るまでに成長したら、少し大きな鉢に植え替えて育苗します。成長とともに鉢上げしながら管理し、苗木として十分な大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。イチイは生育が遅く、発芽に2〜3年かかることもあります。

【挿し木】

挿し木とは、枝を切り取って土に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木で増やせるものとそうでないものもありますが、イチイは挿し木で増やすことができます。

イチイの挿し木の適期は、3月下旬〜4月上旬です。勢いのある枝を10〜15cmほどの長さで切り取ります。採取した枝(さし穂といいます)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を取り除いておきます。3号くらいの鉢を用意してゴロ土を入れ、新しい培養土を入れて水で十分に湿らせておきます。培養土に穴を開け、さし穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。その後は日当たりのよい場所に置いて育苗し、鉢上げしながらほどよい大きさに育ったら、植えたい場所に定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。

イチイは毒性に注意が必要

イチイの実
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イチイの雌株は、9〜10月に赤い実(仮種皮)をつけ、この実は熟すと甘みがあって食べられます。ただし、中の種子にはタキシンという強い有毒成分が含まれているので、決して口にしないよう注意しましょう。この有毒成分は果肉以外すべての部位に含まれます。

常緑で育てやすいイチイを庭木として育てよう!

イチイ
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針葉樹のイチイは繊細な葉を密につけ、刈り込みに耐えるので生け垣のほかトピアリー仕立ても可能です。日本に自生してきた樹木なので、環境になじみやすく放任してもよく育ち、ビギナーにもおすすめ。庭にイチイを迎えいれてはいかがでしょうか。

Credit 文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。2026壁掛けカレンダー『ガーデンストーリー』 植物と暮らす12カ月の楽しみ 2026 Calendar (発行/KADOKAWA)好評発売中!

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