SNS上では、カスタマーサービスの窓口にメールで問い合わせをしても無視されるという声や、置き配をされるたびに何度もやめるようお願いしても改善されないという声もみられるが、背景には何があるのか。

◆配達員のミスや勘違いが原因?
現在、アマゾンでは自社、ヤマト運輸、日本郵便が配送する商品で置き配オプションを選べるものについては、デフォルト設定が玄関への置き配となっている。それ以外を希望する場合は、支払い決済ページの「配送指示」のところで「宅配ボックス」「ガスメーターボックス」「自転車かご」「車庫」「建物内受付/管理人」「置き配を利用しない」「ご近所の方」「設定なし」のなかから選択するかたちとなる。事情により対面での受け取りを希望する場合は置き配指定の解除が必要となり、「配送指示」のなかで下のほうに出てくる「置き配を利用しない」を選択することになるが、これを選択しても置き配されてしまうという声が相次いでいる。ちなみに、アマゾンの「ヘルプ&カスタマーサービス」のページによれば、対面での受け取りを希望した場合でも、購入者が不在の場合は一部重量物を除いて宅配ボックスへ届けるとしている。だが、アマゾンが配達員に対して、配達先の人が不在の場合に玄関に置き配をすることを許しているのかどうかは、わからない。よって、配達員のミスや勘違いが原因である可能性が考えられる。
「アマゾンでは、専門の配送会社ではない個人事業主がアマゾンのアプリを通じて配達業務を受けるケースが増えており、経験の浅い配達員が確認不足により対面受け取り希望なのに置き配をしてしまったり、対面受け取り指定でも不在の場合には置き配してよいと勘違いしている場合もあるだろう。一人で一日あたり200個以上配達することもザラにあり、とにかくスピーディーにこなさないと全て配達しきれないため、1件1件、置き配か対面受け取りかを細かく確認している余裕がないという配達員もいるだろう。8時間働いて日当が1万円台ほどであり、それほど高額な報酬というわけでもなく、配達員によってスキルやモラルにはバラツキがあるため、ルール順守を徹底させるのにも限界がある」(配送業者社員)
◆走行距離、駐車、通行などにかかった費用は支払われない
アマゾンには「Amazon Flex(アマゾン・フレックス)」という、個人事業主に配達を委託するシステムがある。軽貨物車などを所有する個人事業主は専用アプリに登録し「デリバリーパートナー」となり、配送ステーションなどに届いた荷物を集荷・配達する。配達員はアプリ上で提示される集荷場所ごとのブロック(配送時間・報酬など)のなかから受託する仕事を選択し、配送ルートもアプリ上に自動で表示される。デリバリーパートナーへの評価はアプリのアルゴリズムによって行われ、時間内に配達を終了できなかったり再配達が多いと評価が下げられることがあるといわれている。評価が低くなるとアカウントが停止され業務の受託を継続できなくなるため、2024年にはアマゾン・フレックスのデリバリーパートナーが労働組合「Amazon Flex ユニオン」を結成して、アマゾンに対してアルゴリズムと決定方法の開示を要求。アマゾンに団体交渉を申し入れた。そのなかで、1時間に20個以上の荷物を配送する必要があることも多く、休憩を取る時間を確保できないまま一日中配達しなければならない実態も明かされた。
また、配達用車両の購入費や燃料費は配達員の自己負担であり。アマゾン・フレックスのサイト上では「走行距離、駐車、通行などにかかった費用は支払われません。個人事業主として、自費でご負担いただくことになります」と説明されている。
対面での受け渡しを指定しても置き配をされてしまうことを防ぐことはできないのか。アマゾンジャパンの報道機関対応用のメールアドレスにメールで問い合わせたが、期日までに返答は得られなかった。

