◆「痴漢撃退機能」を使ってみたら…
男は下半身を押し付けてきたのだという。「私が抵抗しないことにつけ込んで、行為をエスカレートさせてきたようでした。その後も乗る車両を変えたんですが、やっぱり背後に立たれて……。今度は変なリズムで腰を押し付けて来るようになったんです。そうすれば私がよろこぶとでも思ったようですが、こっちとしてはただただ愚弄されている気分でした」
背後から何をされるのかわからない恐怖感から、周囲に助けを求めることはできずいた。
「どうにか出来ないか調べてみると、警視庁が出している防犯アプリがあることを知ったんです。ある朝、男が背後から身体を押し付けてきた時に、私は意を決してそのアプリの『痴漢撃退機能』を起動しました」
「痴漢撃退機能」は、大声を出せない被害者のための機能で、画面に痴漢に遭っていることを表示し、周囲にSOSを伝えられるというものだった。
「もし触られたら、それをすぐに周りに見せようと思ったんですが、男は私のスマホ画面を覗き込んで何をしようとしているのか気づいたようで、慌てた様子で人をかき分けてその場から離れていったんです」
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それ以来、男が愛理さんの背後に立つことはなくなったという。ギリギリのラインを狙って痴漢に及ぶような悪どい犯罪者を撃退するためには、こうしたツールを活用するのも有効な防御策と言えるのかもしれない。
<TEXT/和泉太郎>
【和泉太郎】
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め

