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日本保守党を“元党員”が刑事告発「寄附金控除の要件満たさず集金」詐欺罪の成立など主張

日本保守党を“元党員”が刑事告発「寄附金控除の要件満たさず集金」詐欺罪の成立など主張

日本保守党への寄附金をめぐり、元特別党員の男性X氏が、代表の百田尚樹氏や事務局長の有本香氏ら4人を詐欺罪や政治資金規正法違反の疑いで刑事告発した。

告発状は東京地検特捜部に提出されたもの。X氏の代理人で、「筋肉弁護士」として知られる桜井康統弁護士が1月8日、都内で会見を開いた。

X氏側は、日本保守党が「税制優遇が受けられる」と説明しながら、実際には要件を満たしていない期間に、支持者から寄附を集めていたと主張。寄附総額は約1億900万に上るとしている。

「根拠となる書面が存在していなかった」と指摘

日本保守党は2023年10月の結党直後、名古屋市の河村たかし市長(当時)が率いる「減税日本」との「友党宣言」を発表。

X氏側は、このタイミングで「河村市長の後援会」という形をとることで、「寄附金控除の対象団体になる道を選んだ」と主張している。

租税特別措置法41条の18では、衆議院議員や知事、政令指定都市の市長などの「公職者」を推薦・支持することを本来の目的とする政治団体への寄附について、所得税の一部を控除できると定めている。

しかし、河村市長が党から推薦を受けたことを証明する「被推薦書」の作成日付は2023年12月21日であり、桜井弁護士は「結党から被推薦書の作成日までの期間には、寄附金控除の根拠となる書面が存在していなかった」と指摘。

この期間を「詐欺罪」と「政治資金規正法違反」という2つの角度から問題視した。

2つの法的問題を指摘

X氏側は日本保守党が寄附金控除の要件を満たしていない時点から「控除が受けられる」と説明し、それを信じた支援者が「税金が戻る」と期待して寄附したのであれば、詐欺にあたると主張。

桜井弁護士は次のように説明する。

「寄附者が控除を受けるには、まず政治家側が総務相に寄附を受けた旨を届け出なければなりません。

その後、政治家側から総務相が発行した証明書を受け取り、確定申告で税務署に提出した場合に限り、寄附金控除による税金の還付を受けることができます」

このことから男性側は「寄附金控除の資格を満たしていない」期間の寄附を有資格であると偽って総務相に提出した場合には、政治資金規正法違反(25条)であると同時に刑法157条の公正証書原本不実記載等罪を構成すると指摘。

一方で、無資格の期間に受け付けた寄附を除いて総務相への届け出を実施していた場合、その期間に寄附した支持者は必要な書類を手に入れることができず、寄附金控除を受けることもできないため、上述した通り、詐欺罪に当てはまるとした。

「百田氏を担ぐこともできたはず」

X氏側は、日本保守党が百田代表ではなく河村氏を据えた理由について、「政治資金規正法上の義務の違いによるものではないか」としている。

同党の創設者である百田氏を国会議員候補として寄附金控除の対象に据えた場合、より厳格な透明性義務が課される。具体的には、1円以上のすべての支出について領収書の保存・公開が義務付けられ、外部監査も受けなければならない。

一方、政令指定都市の市長の後援団体であれば、5万円未満の支出について領収書の保存・公開義務がなく、監査の対象外となる。

「百田氏で申請すれば『ものすごく面倒』な環境になってしまうのに対し、河村市長の後援団体であれば『5万円以下のものについてはチェックを受けない』という大きな違いがあるわけです」と桜井弁護士は説明。

X氏側は、「日本保守党は、税制優遇のメリットは享受したいが、支出の透明性については厳しい規制の適用を受けたくないという動機のもと、この仕組みを選んだのではないか」と主張している。

「本来であれば、百田氏らを担ぎ、国政進出を目指す団体をつくることもできたはずです。

それでもなお、同党が河村氏の支援団体となった背景には、法的規制を回避したいという意図があったのではないでしょうか」(桜井弁護士)

また、この点については、支持者への裏切りでもあると訴えた。

「国政を変える保守政党という名目で誕生した日本保守党でしたが、租税特別措置法の『本来の目的』という法律用語を考えると、同党の最も重要な目的は河村氏を支援することでなければならなかったはずです。

しかし、そのことがばれてしまったら、『この国を変えてくれるのではなかったのか?』『国政を目指すのではなかったのか?』と支持者に思われてしまいます。

だからこそ表向きは『友党宣言』を発表したのでしょうが、法律上は河村氏の応援が本来の目的でした」

告発者の男性、もとは「大ファン」だったが…

会見では、X氏が告発に至った心情も明かされた。X氏は『永遠の0』の著者である百田氏の大ファンであり、日本保守党の設立当初から支援していたという。

特別党員として高額の会費を支払い、党に期待していたが資金管理のずさんさや党の内紛などを知るにつれ、失望したという。

また、X氏側は、23年10月から同年12月にかけて5万円未満の寄附をした支持者のほとんどが、寄附金控除に必要な証明書を受け取っていないと指摘。

桜井弁護士は「控除ができると思って寄附したが、証明書が届かず控除を受けられない状況になっている支援者も多いはずだ」として、返還請求のサポート体制を整える方針を示した。

なお、弁護士JPニュース編集部では、日本保守党に対してコメントを求めたが、現在まで回答は得られていない(1月9日正午時点)。

配信元: 弁護士JP

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