◆「それ、窃盗罪ですよ」証拠を突きつけた日
「悩んだんです。直接言うべきか、警察に通報すべきか」考えた末、森本さんは直接、裏の老夫婦のもとを訪ねることにしました。証拠写真を見せると、老人はすぐに青ざめ、深々と頭を下げたそうです。
「『すみません、もう、年寄りの浅はかな考えでした…』と何度も繰り返していました。でも、これは明らかに“窃盗”なんですよ」
森本さんは「場合によっては警察に相談することも考えている」と、それとなく伝えました。すると、老人は自ら反省の意思を示し、森本さんの提案で誓約書を書くことを受け入れたといいます。
「一応、穏便に済ませたつもりですが、正直ショックでしたね。信頼してたご近所さんだったので」
◆池の鯉と庭の明かりが消えたその後
それからというもの、裏の老夫婦の家は以前とは少し様子が変わったそうです。「ある日ふと池を見たら、鯉がいなくなってました。どうやら浄水機も止まってるみたいで、水も淀んでたように見えました」
加えて、夜になると見えていた裏の家の明かりも、やけに暗くなったように感じると森本さんは話します。
「なんだか、あの日以来裏のお宅に活気がなくなりました。そりゃそうですよね。煌びやかな明かりや風情のある池の演出は全てウチの電気で再現されてたのですから。夜なんか、まるで人が住んでいないような感じの暗さになりました」
今では、老夫婦との関係もぎこちなくなり、お裾分けもぱったり止まったとのこと。
「近所づきあいって難しいですよね。お互い様の精神がある反面、今回みたいにルールを破られると、やっぱり気持ちが切れちゃう」
森本さんは今後、別のコンセントにも防犯対策を講じる予定だと語っていました。
<TEXT/八木正規>
【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

