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あおり運転が厳罰化され約5年。
「あおり運転が罰則に値する危険な行為だと認識している人がほとんどだとは思いますが、危険運転の防止には厳罰化だけでなく、ほかにも課題があると感じました」と野本瑠美さん(仮名・40代)は自身の体験を振り返る。
◆あおり運転をするスポーツカーから降りてきたのは…

余裕で左折できる距離感。ただ、スポーツカーは交差点よりだいぶ向こうにいるにもかかわらず、右折の方向に指示器を出してきた。
「私は左折、対向車が右折だったので曲がる方角は同じ。でも、相手の車は小さく確認できる程度で、もちろん優先されるのは左折する私の方。過去には変に遠慮して停止していたら後方の車にクラクションを鳴らされた経験もあったので、さっさと左折しようとしたんです」
ところが左折しようとすると、スポーツカーがクラクションを鳴らしながら猛スピードで割り込んできて、野本さんが驚き固まっている間に右折。そのあと野本さんが左折して少し走った信号で停止すると、前方に止まっていたスポーツカーから、なんと高齢の男性が降りてきた。
「『こっちが曲がろうとしてんのに、どんな運転しとるんや?』『枯れ葉マークも付けとるやろが!』と、すごい剣幕で怒鳴ってきたのです。一瞬、『いや、枯れ葉じゃなくて“もみじ”だし……。そんなマーク、どこにも付いてなかったし』と心の中でツッコみました」
◆「仲間呼ぶぞ!」ヤンチャ風バイクが到着し…
けれど、そんな余裕があったのは一瞬だけ。「聞いとるんかボケが!」と、怒涛の勢いで怒鳴り続ける高齢男性の様子に恐怖心が強くなっていった。助けを求めたくても、周囲に車や人の姿はない。「やばい、どうしよう……」という気持ちが広がっていったとか。
「さらにその高齢者が、『仲間呼ぶぞ、仲間』などと息巻きはじめたとき、若い男性2人が乗っているヤンチャ風バイクが目の前に止まったんです。バイクに乗った人たちは『いたぞ!』などと言っていたし、『終わった……』と縮こまるしかありませんでした」

