社内政治は、無意識な「習慣」として行われることも多い
ここまでの事例を読んで、思い当たる場面が浮かんだ方も多いと思います。このような根回しやゴマすりは、一般的に社内政治と呼ばれています。皆さんの会社で行われている根回しやゴマすりは、巧妙で戦略的に行われている場合もあれば、習慣として行われているルーティン業務に近いものかもしれません。
社内政治には、根回しやゴマすりのほかにも多くの行動があります。たとえば、派閥間の争いも社内政治の典型例です。「忖度」や「えこひいき」「権力争い」といった言葉を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし「うちの会社では根回しはルーティンとして求められているから政治というほどではない」「私は別に政治をやろうと思って忖度をしているわけではない」という方もいると思います。その背景には、「社内政治とは何か?」という定義の違いがあります。
社内政治は「対立する場面で非公式に影響を与える」こと
社内政治の定義に関しては、学術研究の世界では長きにわたって論争が続けられています。ここではシンプルに、
・利害の不一致や対立があるときに
・正式なルートではない方法で
・他者や組織に影響を与えようとする行動
が社内政治だと定義しておきます。
ここでの「影響」というのは、何らかの変化を起こすことです。ただし、相手の行動を変えたり、意思決定をくつがえしたり、といった大きなものばかりではありません。相手を少し良い気分にさせた、相手の不安感を和らげた、といった小さな変化を起こすことも「影響」に含むものと考えてください。
木村 琢磨
博士
昭和女子大学 教授
