
シニア世代の働き口の拡大を支援する代表的な団体として「シルバー人材センター」が挙げられます。学び直し講座のメニューが豊富で、就業機会の拡大につながると好評です。しかし、働ける日数や時間には制限があるため、満足な収入を得られるとは限らない現実があります。シニア世代が暮らしの足しとなる収入を得るには、どんな工夫が必要でしょうか。本記事では副業評論家の藤木俊明氏が、著書『副業・複業・ひとり社長で年金に月プラス10万円を得る方法』(日経ビジネス人文庫)から、シニア世代が「年金月プラス10万円」を実現するための実践法を解説します。
地元のシルバー人材センターを活用
60歳以上の住民なら登録し、参加できる
シニア世代の働き方としてよく知られているのが、「シルバー人材センター」に登録することです。高年齢者雇用安定法に基づき各地域に設けられた公益社団法人等が運営しており、原則として市区町村ごとに展開されています。その地域に暮らす原則60歳以上の住民なら誰でも登録し、活動に参加することができます。
東京都シルバー人材センター連合に聞くと、現在、東京都では約8万人のシルバー人材が登録しているとのことです。なお、年間2000円程度(地域により多少の差がある)の会費がかかります。
会費を支払うことで、シルバー人材センターによる「植木の剪定」「ハウスクリーニング」「襖の張り替え」などの「就業支援講習」を原則、無料で受けられるというメリットがあります(テキスト代など実費がかかる)。無料の「学び直し」ができることが大きなメリットです。
東京都シルバー人材センター連合によると、とくに植木の講習は大人気だそうです。人付き合いの難しさもなく、黙々と仕事に没頭できるからでしょうか。
それでは、収入はどうなのでしょう。そもそも、シルバー人材センターはご自身の能力を活かして社会参加をしたい人に向けた仕組みであるため、大きな収入は見込めません。また、多くのシルバー人材センターは、おおむね月10日、週20時間程度までの就業になっているとの話です。
平均で月に3万~5万円程度の収入になるケースが多いとされます(あくまで目安)。残念ながら、これだけでは月10万円には届かないかもしれません。
しかし、センターの仕事は多岐にわたっており、「家事援助」「子育て支援」「着付け」など、ビジネス以外のスキルを活かせるものも多いようです。夫婦で登録し、それぞれ月5万円の収入を目指すのが、賢い働き方なのかもしれません。
夫婦合算で「年金プラス月10万円」を目指すのもひとつ
これまで「年金プラス月10万円」の生活を目指すための方法を紹介してきました。しかし、ここまで述べてきたように、ひとりで月10万円を定期的に稼ぎ出すというのは、実はそんなに簡単なことではないのです。
以前、経済アナリストの故・森永卓郎さんにお目にかかったとき、つらい仕事をしてお金を稼ぐより、好きな仕事をして月5万円程度という考え方のほうがよいのではとお話しいただきました。
もちろん、「年金プラス月10万円」を目指すことは変わりませんが、つらい仕事で消耗するより、夫婦で力を合わせて、「ふたりで年金プラス月10万円」とハードルを下げてもいいのではないかと思います。
「自分のセカンドライフ」を自分で決める時代一般的には、会社を定年退職してからがセカンドライフとされています。つまり「自分のセカンドライフはあくまで会社に決められるもの」でした。
最近では、早期退職を求める大企業が多く出てきて、定年退職前に会社の一存で自分のセカンドライフが決められるケースも増えています。
会社に都合よく自分の人生の節目を決められるのは、おもしろくないと思いませんか? そこで「自分のセカンドライフは自分で決める」と考えたらどうでしょう。ここでいう「自分で決める」は、開始のタイミングだけでなく、その中身や主導権も自分に取り戻す、ということです。両者は切り離さずにセットで再設計します。
たとえば役職定年を迎えたら、「ここからは自分のセカンドライフだ」と割り切って、会社主体の人生ではなく、自分主体の人生にシフトチェンジしていくことをおすすめします。この「自分主体の人生にシフトチェンジすること」が定年後に向けての大きな一歩だと考えます。
藤木 俊明
有限会社 ガーデンシティ・プランニング
代表取締役
