◆ブレイキングダウンと決闘の違い──正当なスポーツか違法な喧嘩か
最近人気のブレイキングダウンなどの格闘技イベントは、一見すると「合意の上での暴力行為」にも見える。なぜこれらは決闘罪に問われないのだろうか。「格闘技・スポーツであると評価されれば、刑法上、『正当行為』として違法ではないという取り扱いがされます。ブレイキングダウンは、スポーツ・格闘技イベントという位置づけである限りは合法です」と南澤弁護士は解説するが、現実的な問題も存在する。
「格闘技ショーの枠を超えて、演者同士が衝突する場面も少なくありません。ショーと現実の境目が曖昧であることがブレイキングダウンの魅力でもありますが、ショーの範囲を超えた喧嘩はスポーツの範囲を逸脱しており、法律的には、傷害罪・決闘罪が成立する可能性があります」
実際、ブレイキングダウン出場者が傷害罪容疑で逮捕される例も報道されており、当局も問題視していると思われる。
今回、傷害致死に留まらず「決闘罪」が適用された背景として、南澤弁護士は「私刑や喧嘩がインターネットで面白おかしく拡散されがちな社会風潮に対して、警鐘を鳴らす意図もあったのではないか」と指摘している。
奇しくも先日、栃木県立高校の暴行動画が拡散され、大きな議論を呼んでいる。SNS全盛の現代だからこそ、この古い法律が持つ意義を改めて考える必要があるのかもしれない。

「パチスロで学費を稼ぎ、弁護士になった男」という異色の経歴を持つ。司法修習時代は、精神医療センターにて、ギャンブルを含む依存症問題について研修を受けた経験があり、一般市民の悩みに寄り添った、庶民派の弁護士を志す。アディーレ法律事務所・北千住支店長として対応した法律相談数は、累計数千件に及び、多様な一般民事分野の処理経験を経て、現在は交通事故部門の責任者となる。
<取材・文/日刊SPA!取材班>

