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2026年に新興国株式市場が注目される理由~米国一極集中からの転換点

長年にわたり、世界の株式市場では米国株、特にS&P500を構成する巨大ハイテク企業が圧倒的な存在感を示してきました。しかし2025年、この状況に大きな変化が訪れています。新興国の株式市場が予想以上のパフォーマンスを見せており、投資家の関心が再び新興国へと向かい始めているのです。

MSCI新興国株指数は2025年11月末までにドル建てで27%上昇し、先進国株指数の19%上昇を大きく上回る結果となりました。新興国株が先進国株を上回るのは実に5年ぶりのことであり、市場関係者の間では新興国株の復活を期待する声が高まっています。長らく「冬の時代」と呼ばれた状況から脱却し、新興国市場が再び投資の主役として返り咲く可能性が出てきたのです。

この背景には、マクロ経済環境の好転、割安に放置されてきた株価水準の見直し、そして次世代成長産業への参入機会という、複数の追い風が同時に吹いていることがあります。

新興国市場を後押しする3つの要因

チェックリスト 【画像出典元】「stock.adobe.com/Image4u」

通貨と金融政策の好環境

新興国株式市場の追い風となっているのが、米ドルの先行き不透明感です。米国の保護主義的な政策姿勢や財政問題への懸念から、投資家は米国への過度な資金集中に警戒感を強めています。今後米ドルが下落する可能性が指摘されており、これは新興国にとって大きなメリットをもたらします。

米ドル安は新興国が抱える外貨建て債務の実質的な負担を軽くし、返済余力を高めます。さらに、海外投資家は通貨の値上がり益を狙って新興国の現地通貨建て債券や株式を購入する傾向が強まるため、安定的な資金流入が期待できるのです。

加えて、新興国の多くでインフレが沈静化しており、各国の中央銀行は景気刺激策を取りやすい環境にあります。近年、新興国は政策枠組みの整備により経済危機への対応力を高めており、資本流出を過度に恐れることなく、自国の経済状況に合わせた柔軟な金融政策を実施できるようになっています。この金融政策の自由度の高まりは、景気の下支えに繋がり、企業収益の改善を通じて株式市場にもプラスの影響をもたらします。

見直される投資価値と経済規模のギャップ

新興国株式の大きな魅力は、その割安な価格水準にあります。世界の名目GDPにおける新興国のシェアは42%に達していますが、グローバル投資家の海外投資残高に占める新興国の割合はわずか10%程度に留まっています。この大きなギャップは、新興国株式が本来の価値よりも低く評価されていることを示しており、今後の上昇余地の大きさを物語っています。

経済規模と投資残高のこの不均衡は、長年にわたる新興国市場への投資資金の流入不足を反映しています。専門家は、新興国企業の収益力向上や上場企業数の増加など、市場の拡大可能性は極めて高いと分析しています。実際、新興国の企業は経営効率の改善や企業統治の強化を進めており、投資対象としての質も着実に向上しています。

この割安感が解消される過程で、新興国株式は大きなリターンをもたらす可能性があります。投資家がこの価値と価格のギャップに気づき始めたことが、2025年の新興国株上昇の一因となっているのです。

成長分野での強みと技術革新への貢献

新興国市場は、世界経済の成長を牽引する最先端技術や持続可能エネルギー関連企業を数多く擁しています。AI技術の発展に不可欠な半導体やデータセンター関連では、アジアのテクノロジー企業が重要な役割を果たしています。

中国の光通信モジュールメーカーやAI半導体関連企業、韓国のメモリー半導体企業など、新興国のハイテク株は目覚ましい成長を遂げています。興味深いのは、新興国の株式市場では高配当戦略を採用する場合でも、先進国と比べて情報技術セクターの比率が高くなる傾向があることです。これは、安定した配当収入を得ながら、同時に高成長が見込まれるテクノロジー分野への投資機会も得られることを意味します。

情報技術(IT)セクターとは、AI、半導体、データセンター、ソフトウェアなど、デジタル社会の基盤を支える技術関連企業群を指します。先進国の株式市場では、高配当銘柄を選ぶと情報技術セクターの比率が低くなる傾向があります。これは、米国のエヌビディアなど大手ハイテク企業が、利益を配当に回すより研究開発や設備投資に優先的に振り向けるためです。成長を追求するグロース戦略が中心となっており、高配当条件では除外されやすくなります。

一方、新興国では高配当戦略でも情報技術セクターの比率が高くなります。新興国のIT企業は、AI関連需要などによる高成長を維持しながら、同時に積極的な株主還元も行う傾向があるためです。投資家は配当収入と技術革新による値上がり益の両方を期待できます。

さらに、AIデータセンターの電力需要増加に対応する再生可能エネルギーや電力インフラ整備の分野でも、新興国企業の存在感が増しています。持続可能なエネルギー・システムへの移行、いわゆるエネルギー・トランジションは世界的な潮流となっており、この分野での投資機会は今後さらに拡大すると予想されます。

銅、リチウム、ウランといった重要資源を供給する鉱山企業も、エネルギー転換の流れの中で注目を集めています。カザフスタンなどのフロンティア市場に属する資源企業も、資源需要の増加を背景に経済成長への貢献が期待されています。

安定収益を狙う投資家にも魅力 

投資家 【画像出典元】「stock.adobe.com/Marcelo」

新興国株式市場の特徴は、高成長企業だけでなく高配当銘柄も充実していることです。金融サービスや通信サービスなどの分野では、新興国の経済発展に伴う中間所得層の拡大という恩恵を受ける優良企業が多く存在します。

中間所得層の増加により、より多くの人々が銀行口座を開設し、ローンを利用し、保険に加入するようになります。また、スマートフォンを持ち、モバイル通信サービスを利用する人口も急速に増加しています。こうした社会変化は、金融機関や通信事業者の収益基盤を着実に拡大させます。

これらの企業は割安な価格水準にありながら、着実な利益成長と配当支払いが期待できます。配当の裏付けとなる収益力が確実に向上していることが、高配当投資の安定性を支えているのです。

配信元: mymo

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