◆推しポイントはプロデュース力
![中年社員は[推され力]が10割](https://assets.mama.aacdn.jp/contents/210/2026/1/1768176142887_e95ol2pi47.jpg?maxwidth=800)
「スタッフさんや演者から見て、仕事をきっちりやっているのはわかるけど『責任をなすりつけるため』って口に出すのはあり得ない。最近クロちゃんの奇行っぷりを見てられなくてX(旧ツィッター)のフォロー外したもん(笑)」
そんな彼女の“推しオジ”ポイントの一つが、予定調和で物事を進めずに、相手の新たな長所を引き出そうとする、いわばプロデュース力だ。
「例えば、テレビプロデューサーの佐久間宣行さん(50歳)は、世界観は濃いのに、それを押しつけてこないし、『ギャルだからこう』とか『今までの仕事がそうだったから次もこれ』みたいに型にハメることもしない。その時々の現場で起きたことを丁寧に拾って、『じゃあ次こんなことやってみる?』と、偶然を面白がりながら、新たな側面を引き出そうとしてくれる」
ただし相手に興味を持つことは大切だが、パーソナルな部分に踏み込むのは自ら地雷を踏みに行くようなもの。
「髪を切ったり、ネイルを変えたりしても、『何かあったの?』は余計。理由を探るのは興味じゃなく詮索だから。『髪切ったね』で十分なんですよ。話したければ、自分から言うし。下ネタなんかも同じで、オジさんから振るのではなく女性から振ってきたのにちょっと乗るくらいがいい」
◆距離感のお手本となるお笑い芸人
価値観がまったく異なるZ世代との距離感は難しい。そのお手本となるのがお笑い芸人・錦鯉の渡辺隆(47歳)だ。「罵倒すら面白がって楽しんでるし、いつも腰が低い。年齢や立場を笠に着て威張ることもなく、いつもこっちの話を楽しそうに聞いてくれる。自分から話すときも『知ってる』前提で進めずに、こちらの心理や受け取り方まで想像してくれるから居心地がいいんですよ。そして、かまってちゃんじゃない。こういう控えめな距離感は推せますね」
Z世代に比べ、経験値が高いオジさんは、その分過去の成功体験に引っ張られがちだ。
「昔話でドヤられても、正直、知らないし興味もないから、勝手に気持ちよくなってる自分語りってマジでさめるだけ。『ギャルだからこうでしょ』って偏見も同じで、枠にハメた瞬間、会話の可能性も閉店幕引き。大事なのは、今目の前の人とのセッションを面白がれるかどうかじゃないですか。お互い宇宙人くらいの距離感で、『ギャルって本当にそうなの?』って、フラットに接してくれるオジさんのほうが、自然に推されますよ」
そもそもオジさんは細かなことに悩みすぎだという。
「一度の失敗に引きずられすぎだし、正解を求めすぎ。もう少し肩の力を抜き、『これで良くね?』がいい。完璧主義の姿勢は正しいかもしれないけど、真面目すぎて私はつまらないと思ってしまう。楽観的で自分たちと近い目線で一緒に楽しめる人のほうが、最後に味方が残ると思います」
ギャルマインドの注入こそが、推しオジを生む。
【クズ芸人 クロちゃん】
1976年12月10日生まれ。お笑いトリオ・安田大サーカスのボケ担当。松竹芸能所属。俳優やプロデューサーとしても活躍
【辛口ギャル みりちゃむ】
’02年7月10日生まれ。『egg』の元専属モデル。朝ドラ『おむすび』にも出演し、さまざまなバラエティ番組などで活躍中
※週刊SPA!1月13日・20日合併号より
取材・文/週刊SPA!編集部
―[中年社員は[推され力]が10割]―

