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ここ数年、外国人観光客が非常に増えた。その影響は電車やバスなどの公共交通機関にも及んでいる。利用に関するマナーは日本と海外で異なる場合が多く、彼らに悪気はなくとも周囲が「迷惑」と感じてしまうケースが少なくない。
◆大荷物を抱えた外国人親子が電車内でまさかの行動に

大きなターミナル駅で、ある外国人の親子が乗ってきた。両手に大きな紙袋を抱えており、足元には大きなスーツケースを2つ転がしている。小学生くらいの子どもが、慣れない様子で必死に親についていく。
最初は「長旅の途中なのかな。大変そうだな」と思っていた田崎さん。しかし、その後の展開に驚きを隠せなかったという。
親子が席に座ってしばらくすると、突然、紙袋の中をゴソゴソと探し、スーパーなどで売られているようなお惣菜のパックを取り出した。
「まさかと思った次の瞬間、そのパックを開けて食べ始めたんです。日本人でも電車内でおにぎりやパンなどの軽食を口にする人はいます。ただ、匂いや見た目のインパクトが強いお惣菜を、堂々と車内で広げて食べる人を見たのは初でした」
周囲の乗客は思わず視線をそらすか、あるいはチラチラと遠慮がちに見ている状態だったという。
◆缶ビールを“プシュッ”とした後、ゴミをそのまま放置!
最大の衝撃はこの後だった。「さらに驚いたのは、その後、親が紙袋の中から500mlの缶ビールを取り出し、何のためらいもなく“プシュッ”と開けて飲み始めたことです」
田崎さんは思わず二度見してしまったという。
「電車内でお酒を飲むことは、個人的には絶対NGだと思っていただけに、親が子供の前でそんな行儀の悪いことをしている光景に軽いショックを受けましたね」
とはいえ、誰も注意できなかった。田崎さんを含めて、みんなが「見なかったこと」にしようと……。言葉が通じないかもしれないし、注意して逆ギレされたらどうしよう。そんな不安が頭をよぎったのだろう。日本人特有の、波風を立てない態度だったという。
「最も呆れたのは、その親子が降りるときのことです。なんと、食べ終わった惣菜のパックや使用済みのフォーク、そして飲み終えた空き缶などを、車内の床にそのまま置いていってしまったのです」
まるで「片づける」という発想が最初から存在しないかのようだった。文化やマナーの違いという言葉では済まされない、そんな深いモヤモヤが残った一件だったという。

