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銀行員「お取り扱いできません」…年金月13万円・85歳母の介護に尽力する60歳長男、銀行窓口で〈口座凍結〉を告げられ絶望→脳裏に浮かんだ“密告者”の存在【CFPが警告】

銀行員「お取り扱いできません」…年金月13万円・85歳母の介護に尽力する60歳長男、銀行窓口で〈口座凍結〉を告げられ絶望→脳裏に浮かんだ“密告者”の存在【CFPが警告】

口座凍結を避けるためにできる「3つ」の対策

銀行が口座を凍結するタイミングは、原則として「口座名義人に認知症の疑いがあると銀行が把握したとき」とされています。その判断基準は銀行側に委ねられており、家族が意図しないタイミングで凍結されてしまうことも少なくありません。

こうした事態を避けるための対策として、下記の3つが挙げられます。

1.家族信託

「家族信託」は、自分の財産を家族などに信託し、管理や運用を任せる制度です。今回のケースでいえば、委託者は母の美里さん、受託者は息子の忠司さん、受益者は美里さんとする契約を結ぶことになります。契約を締結した時点から、忠司さんは美里さんの意向に沿って資産を管理・運用できるようになります。

2.任意後見制度

「任意後見」は、本人の判断能力が低下する前に、あらかじめ自身で後見人を選んでおける制度です。本人の判断能力が低下すると後見が開始され、事前に取り決めた内容に基づいて後見人が資産管理などを行います。今回の場合も、美里さんの判断能力があるうちに忠司さんと任意後見契約を結んでいれば、スムーズに資産管理ができたでしょう。

3.財産管理委任契約

「財産管理委任契約」は、あらかじめ選んだ人に財産管理を委任する制度です。家族信託と同様、契約締結時点から効力が発生し、財産管理を任せることができます。ただし、この契約は原則として本人の判断能力が失われると効力がなくなるため、任意後見制度とセットで利用すると安心です。

こうした事前対策は徐々に認知が広まりつつあるものの、制度が複雑で手続きや費用の負担があることから、踏み切れずに先延ばしになってしまうことも少なくありません。

その点、比較的取り入れやすい方法としては「生前贈与」があります。贈与税のかからない範囲で母の資金を忠司さんの口座へ移しておけば、必要なときに生活費や介護費用を出金できます。

ただし、ほかに相続人がいる場合は使途を明確にしておかないと、のちに相続トラブルに発展する可能性がある点には注意が必要です。

山﨑 裕佳子
FP事務所MIRAI
代表

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