すがるような瞳で見つめてくる彼。自分の気持ちはどうなの?

微妙な空気が流れました。そんな人、私しかいないんです。『酔っぱらってるの?冗談やめてよ!』と笑い飛ばしたほうがいいのか迷ったものの、なんだかバツが悪くなり、私もつい黙り込みました。
どれくらい時間が経ったかわかりません。しばらくして彼がボソボソと口を開きました。
「『本当に真剣なんです。毎日その人のことばっかり考えてしまう。でも、そんなの迷惑かもしれないし。俺どうすればいいと思います?』と彼がすがるような目で見つめてきました。
私の出方を聞いて、私に決断を委ねるなんて、ずるいですよね……」
「あなたを男として見たことなんて一度もない」そう言おうとした。けれど、その言葉を口にしたら、自分が嘘をついていることになると彼女は思った。
彼の気持ちを全て断ってしまうことは望んでいない……そんな自分の密かな声に気付いてしまったのだ。
18歳年下の部下を、いつの間にか男性として意識していた

「そんなはずはない」と何度も自分に言い聞かせたのだけど、18歳年下の部下であるタカシを、私はいつの間にか少し男性として意識していました。
上司に対してのおべっかの部分もあったのかもしれませんが……私に人懐っこい好意を示してくれるのが、くずぐったくも嬉しかったんです。
彼と一緒に外出の機会があると、前日からなんだかワクワクしました。道中で二人で話せるのが楽しみで。
また、彼がふと『そのジャケット似合いますね』と言ってくれたら、なんだかお気に入りになって何度も同じ服を着てしまうなんてこともありました。
以前、チームの飲み会で、どんな異性がタイプかという話題になったとき『年上がタイプ。シホさんみたいに、仕事も家庭もがんばる女性と結婚できたら最高なのに』と言ってくれたことがあります。
ただのお世辞かもしれないですけど、何年も男性から褒められていなかったから、うれしくて思わず頬が赤くなりました。

