◆「品質面のみ」ならバーガーキングに軍配が上がるが…
マクドナルドとバーガーキングをコスパ面で比較した場合、どのように評価できるのか。料理人・飲食店プロデューサーで南インド料理「エリックサウス」総料理長の稲田俊輔氏はいう。
「あえて品質面のみで比較するならば、率直にいってバーガーキングに軍配が上がると思います。パティの原材料そのものはどちらも十分すぎるほど上質なものですが、バーガーキングはそれを直火で焼くことで、余分な脂を落としつつ、スモーキーな香ばしさを備えています。レタス、トマト、玉ねぎといった野菜の質感やフレッシュさにおいても、やはりバーガーキングに軍配が上がります。個人的には、玉ねぎの差が特に大きいと感じています。食感や辛味など、玉ねぎの『薬味』として魅力がしっかり生かされているのがバーガーキングです。量と価格のバランスに関しては、ほぼ同等と感じます。メニュー表だけを見ると高く感じるバーガーキングですが、実際のボリュームに換算すると、ほぼ差がないどころか、クーポン等をうまく活用すればむしろバーガーキングのほうが計算上割安になるパターンもあります」(稲田氏、以下同じ)
とはいえ、コスパやクオリティの高さがストレートに消費者の購買行動に結びつくわけではないという。
「品質的にはバーガーキングのほうが上、しかも価格は同等となれば、完全にバーガーキングの勝ちです。しかし単純にそうはならないのが飲食の面白いところです。脂を落として香ばしく焼かれたバーガーキングのパティより、牛脂にまみれたワイルドな風味の(臭みを残した)マクドナルドのパティのほうを好む人は案外少なくありません。実は私もその中の一人です。フレッシュな辛味を残したバーガーキングの玉ねぎより、完全に辛味を抜いたマクドナルドのほうが食べやすいと感じる人もたくさんいるでしょう」
◆マクドナルドには「バーガーキングにないもの」が
そしてマクドナルドの大きな強みが、商品ラインナップの豊富さだという。「マクドナルドは商品の幅が圧倒的に広いです。バーガーキングの『ワッパー』に相当するマクドナルドの商品は『ビッグマック』ですが、もっとシンプルに素材そのもののシンプルな味を楽しみたければ、『ダブルチーズバーガー』があり、『フィレオフィッシュ』があり、朝マックの『ソーセージマフィン』もあります。もっとも、バーガーキングにもほぼ同様な商品はあります。しかしマクドナルドにあってバーガーキングにないもの、それは、いかにも現代の日本人が好みそうな、複雑かつ一口目からインパクトの強い味付けです。代表例は『サムライマック』でしょうか。パティの肉の味を覆い隠さんばかりの濃い味のソースは、日本人の嗜好と見事にマッチしています。
また最近のマクドナルドは、『チキンタツタ』や『グラコロ』といった伝統的な人気メニューを期間限定で復活させる場合、オリジナルそのままのシンプルな仕立てに加えて、いかにも現代的な複雑濃厚な新バージョンも並行してリリースしています。あくまで正統派のアメリカンクラシックなバーガーにこだわるバーガーキングとの大きな違いはそこです」

