早期発見を逃している人が増えている理由

がんは早期発見、早期治療が第一ですが、実は最近、心配なことが起こっていると言います。「ここ数年コロナ禍での検診控えの影響などもあり、早期の胃がんが見つかる人が大幅に減っています」と片井さん。大腸がんの現場でも、「最近、進行がんの患者さんが増えている印象があります」と福長さん。
過去にコロナ禍での行動自粛から、がん検診を控えていた、精密検査をすすめられているのに先送りしている、気になる症状があるのに放っていた……。その間にがんが進んでしまった可能性があるのです。
「例えば胃がんの場合、早期がんを放っておくと2年間で約2割が進行がんになります」と片井さんは話します。
早期のがんなら生存率は100%近い
大腸がんも胃がんも、早く見つけて適切な治療を受ければ、完治が可能です。大腸がんの場合、がんの深さが浅い早期がんなら、5年生存率は94~97%。胃がんの場合も96%と報告されています。
また早期がんだと内視鏡治療で治すことができるので、心身の負担も軽くて済みます。
グラフのように、がんが粘膜層や粘膜下層にとどまっているステージ0期やⅠ期の早期がんなら、治療で完治が望め、5年生存率は100%近いことがわかります。
半面、発見が遅れてがんが進行すると、5年生存率はグッと低下します。がんが全身に転移した段階では、大腸がんが19%、胃がんが6%と、厳しい現実を突きつけられることになるのです。
がんの進行度が上がるほど生存率は低下するので、早く見つけて早く治療することが何より重要なのです。

