「仕事もできないのに、あいつの方が給料が高い」その怒りが引き金に…〈衝動買い→貯金なし〉負のループから抜け出せないワケ

「仕事もできないのに、あいつの方が給料が高い」その怒りが引き金に…〈衝動買い→貯金なし〉負のループから抜け出せないワケ

「真面目に働いているのに、なぜかお金が貯まらない」と感じる人は、お金に対する「脳のクセ」が、気づかないうちにお金を遠ざけてしまっているのかもしれません。本記事では、心理カウンセラー・大嶋信頼氏の著書『お金に振り回されない生き方』(総合法令出版)より、一部を抜粋・編集し、無意識のうちに起こる「脳の発作」とその症状について詳しく解説します。

破壊的な人格に変身→“財布を空にする”仕組み

以前、会社勤めをしていた頃、私よりも仕事のできない同僚の給料が、私よりも高いことがわかりました。そのとき、私の頭の中で「ビビビッ!」と電気が走りました。顔が真っ青になって、「こんな会社辞めてやる!」と社長室に走っていきました。

普段は物静かな私が、社長の前で「なんで私の努力を認めてくれないんですか!」と怒鳴り、涙まで流してしまいます。「うわ! なんでおれは泣いているんだ?」と自分ではまったく感情のコントロールができません。そして、「私のことを認めてくれないんだったら、もう辞めさせてください!」と言って社長室から出てしまったのです。

でも、しばらく歩いていたら怒りが治まりました。「あれ? なんであんなことを言っちゃったんだろう?」と血の気が引いて、急に吐き気が襲ってきます。「ここで辞めても、次の仕事なんて簡単に見つからないのに、どうして、あんな馬鹿なことを言ってしまったんだろう」と、ものすごく後悔しました。

このとき、私には何が起こっていたのでしょうか。

私たちの脳には普段から“ストレス”が電気のように帯電していて、ちょっとしたきっかけで「ビビビッ!」と「サージ電流(瞬間的に定常状態を超えて発生する大電流のこと)」が発生します。この大きな電流によって“脳の発作”が起きてしまいます。

“脳の発作”が起きると、人は「破壊的な人格に変身!」してしまいます。人間関係や仕事、それに、お金の流れなども自ら破壊してしまいます。

“脳の発作”の表現では、少しわかりづらいかもしれませんが、喘息の発作というように、発作とは、ある症状が突然起こることです。つまり、自分ではコントロールできません。発作が治まったら変身が解けて、「なんであんなことをやっちゃったんだろう?」と後悔してしまうのです。

私の場合は、昔から家が貧乏でしたから、いつも一生懸命に働いて節約もしてお金を貯めなければ、と考えていました。だから、食事もなるべくお金をかけないように、お昼はパン、夜もパンにチーズというような生活でした。

「みんなは楽しそうに外食をしているのに、自分はこんなに惨めだ」「思うようにお金が使えない」 と、“怒りのストレス”が常に脳に帯電していたのです。 その電気が、「あいつは仕事もしないくせに自分より給料が高い!」という感情を合図に「ビビビッ!」と流れます。そうして発作が起きて、「破壊的な人格に変身!」となって、自分の言動のコントロールができなくなってしまったのです。

「自分が正しい!」と信じて疑わなくなる

破壊的な人格に変身してしまった私は、普段では考えられないような言動で、 「積み上げてきたものをどんどん破壊しちゃうぞ!」モードになります。せっかく築き上げてきた社長との信頼関係を「ドッカン」と破壊してしまい、そのことによって当然社内の評判も悪くなります。一生懸命に積み重ねてきた仕事の実績を見事に崩してしまったのです。大きく昇給するチャンスもぶち壊してしまいました。

脳の発作で破壊的な人格に変身しているときは、「社長が間違っている!」ことしか考えていません。自分が正しいと信じて疑うことができず、大切なものを幼稚な正義感でぶち壊している“自覚”がまったく持てなくなります。

発作が治まったら、「あ! しまった!」と、ぶち壊してしまったことの自覚がちゃんと持てるようになります。周りで見ている人は「一時的な感情に流されて」 と思うでしょうが、そうではなく、“脳の発作”を起こして破壊的な人格に変身してしまっただけなのです。

私は定期的に脳の発作を起こしていました。「お金がない」ストレスが脳に帯電しているので、上司からちょっと注意されただけなのに、「ビビビッ!」と発作を起こします。そうして、「むしゃくしゃしているから、何かほしいもの買っちゃおうかな?」と考えてしまいます。「そんなの買っちゃったら、生活費がなくなるのに!」と、頭の隅にあるのですが、「あれがなければ、仕事ができない!」と思い込んで、費用を気にせずに散財してしまうのです。

領収書を見た途端に発作が治まって、「あ〜! せっかくコツコツ貯めてきたお金を使っちゃった!」と、手がワナワナと震え出します。それでも「新しくて、ほしいものが手に入ったんだから!」と自分を納得させようとするのですが、いざ、実物を見て、消えていったお金を想像すると、「何でこんなものを買っちゃったんだろう?」と後悔します。後悔すればするほど、脳にストレスが帯電してしまい、 またすぐに脳の発作が起きて、無駄遣いをしてしまうのです。

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