
更年期に多く見られる不調のひとつ、指のこわばり。寒くなるこの時期は特に症状が現れやすくなります。
指のこわばりの原因で多いと言われるのが「メノポハンド」。このメノポハンドとはいったいどんな症状なのか、そして東洋医学ではどのように対処できるのかについてご紹介していきます。
指関節の不調が現れる「リウマチ」と「メノポハンド」、その違いは?

朝起きたときに指がこわばって曲げづらい、指がむくんではれぼったい、ペットボトルのふたがスムーズに開けられない⋯⋯。更年期になると、こうした指関節の不調が見られることがあります。特に本格的に寒くなるこの時期は、こうした指のこわばりが現れやすいものですね。
指関節の不調と言えばリウマチ(関節リウマチ)が知られていますが、リウマチ検査では陰性だったのに指のこわばりがなかなかとれない、ということも。こうしたリウマチではないけれど指関節に不調が現れる状態は、「メノポハンド」と呼ばれています。
メノポハンドとはなにかというと、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって関節などを包む滑膜(かつまく)がはれたり炎症を起こしたりして生じる手指の不調のこと。リウマチは免疫の異常によって関節の炎症が起きる症状なので、原因はまったく異なりますが、両者とも更年期に起こりやすく朝の手のこわばりを招くなどの共通点が多いため混同されやすい傾向があります。
では、メノポハンドとリウマチにはどんな違いがあるのでしょうか。代表的な相違点は次の通りです。
◉メノポハンドの傾向
・朝の手のこわばりは1時間以内に解消されることが多い
・第1関節、第2関節に症状が現れることが多い
・左右対称とは限らず、片方の手だけに症状が現れる場合も多い
◉リウマチの傾向
・朝の手のこわばりが1時間以上続くことが多い
・第2関節、第3関節に症状が現れることが多い
・左右対称に症状が現れることが多い
リウマチは早期の対処が重要であり自然治癒しない症状なので、気になる場合はリウマチ専門医がいるリウマチ科や膠原病内科などで検査(血液検査など)をしてもらうといいでしょう。検査の結果リウマチではない場合は、メノポハンドだと考えることができます。
メノポハンドの場合、初期の段階であればセルフケアで対処できますが、日常動作で痛みやしびれがつらい場合や、力が入りづらかったり指を曲げ伸ばしする際にカクンと引っかかったり指先に水ぶくれができたりした場合は、手外科(てげか)専門医に診てもらうことをおすすめします。
メノポハンドをセルフケアするための「肝腎要」なポイントとは?

メノポハンドは東洋医学でセルフケアすることもできます。その養生法をご紹介する前に、まずは東洋医学で考えるメノポハンドの原因について押さえておきましょう。
東洋医学では、メノポハンドを招く原因はひとつではなく、複数の要因が重なって起こるものだと考えられています。その原因の根底にあるのは、このコラムで何度も登場している「腎陰(じんいん)」や「腎精(じんせい)」の減少です。腎陰とは、五臓の「腎(じん)」に蓄えらている体全体の水分源であり、腎精とは、その腎陰を生み出すもととなる“種”のようなもの。どちらも更年期になると減少しやすくなります。さらに腎には関節をつかさどる働きもあることから、腎陰や腎精が減少すると関節の柔軟性が低下しやすくなるのです。
また、「肝腎要」という言葉もあるように(「肝心」という表記が一般的ですが本来は「肝腎」)、腎は五臓の「肝(かん)」と密接な関わりがあります。肝は関節の曲げ伸ばしに関わる筋肉や腱をつかさどる働きがあるのですが、腎精が減少すると肝に貯蔵される血(けつ≒血液)の量も減少し、指先の筋肉や腱に血が行き渡りにくい状態に。その影響で、指がこわばったり動かしにくくなったりしてしまうのです。
さらにこの時期は冷えによって末端の関節部で血や水分のめぐりが滞りやすくなるため、滞った場所に痛みが生じたりはれぼったくなったりすることも。
つまり、メノポハンドをセルフケアするためには
①腎陰・腎精を守り、補う
②肝の血を補う
③冷えをとり、血や水分のめぐりをよくする
という3点が重要なポイントとなるわけです。

