親の介護はいつからいくら必要になる?費用と準備の現実をFPが解説

4.後悔しないためにやるべきことと、優先順位 

数字が書かれた積み木 【画像出典元】「stock.adobe.com/Innovative」

では、今から何をどの順番で進めていけば良いのか、まとめてみました。
ご家庭の状況によって優先順位は異なりますが、一般的には次の5つの順で始めることをおすすめします。

1)ご両親と将来の話をする機会を作る
まずは食事や帰省のタイミングで、「もし介護が必要になったらどうしたい?」と話題にしてみましょう。いきなり深刻なトーンで話すのではなく、テレビのニュースや知人の話をきっかけにするのも良いでしょう。

2)財産と書類の整理を親子で一緒に進める
どこに何があるか、通帳や保険証券をリストアップする作業を手伝います。エンディングノートを活用するのも一つの方法です。

3)ご両親の年金額と貯蓄額を確認し、介護費用の概算を試算する
ねんきん定期便や通帳を見せてもらい、月々の収入や現在の貯蓄額を把握します。その上で、月10~20万円の介護費用が発生した場合、何年程度まかなえるのかを計算してみましょう。

在宅介護や施設利用などいろいろなケースが考えられますが、概算でも数字を確認することで資産に応じた施設選びや介護プランを考えるきっかけとなります。また漠然とした不安が現実的な課題として見えてくるのではないでしょうか。

4)地域包括支援センターの場所と連絡先を調べる
ご両親の居住地の地域包括支援センターを調べ、電話番号をメモしておきます。余裕があれば一度訪問して相談してみましょう。また自治体の高齢福祉課でも相談に乗ってくれます。難しく考える必要はなく、「何から手をつけたら良いかわからない」といったタイミングの相談でも問題ありません。

5)成年後見制度について専門家に相談する
司法書士や弁護士に相談し、成年後見制度を利用する必要があるかどうかを検討しましょう。上述したように、成年後見制度では、後見人が本人に代わって、生活や財産に関する必要な手続きを行います。なお制度は大きく分けて次の2つです。

・任意後見制度:本人が元気なうちに、自分で後見人を選んで契約しておく制度
・法定後見制度:本人の判断能力が低下し、保護が必要になった段階で、家庭裁判所が後見人を選ぶ制度

どちらの制度も、本人の財産を守ることが中心です。なお本人の意思を反映しやすいのは、事前に本人が後見人を選べる任意後見制度です。

気になった方は、情報収集の一つとして、司法書士会が実施している無料相談会などを活用して相談してみるのも良いでしょう。

5.まとめ

介護の話題はとてもデリケートで、ご両親と子ども世代で受け止め方が違うことも少なくありません。「私はまだ大丈夫」と感じている親世代の方も多いため、その気持ちを尊重しつつ、何度かに分けて少しずつ話題にしていくことが大切です。

テレビや雑誌、新聞でエンディングノートが取り上げられている時に「こんな記事があったよ」と第三者の情報として紹介すると、抵抗感なく興味を持ってもらえることがあります。

いずれにしても、重い雰囲気になり過ぎないように、家族で共有できる話題として少しずつ準備を進めていくことをおすすめします。

配信元: mymo

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