公表されたデータで削減数が最も大きかったのが第一生命ホールディングスの1830人。2位がジャパンディスプレイの1483人。3位が三菱ケミカルグループの1273人です。
この3社のリストラは背景が大きく異なっており、「大企業にいるから安心だ」という会社員の思い込みが幻想であることを物語っているかのようです。

◆非保険領域の拡大を目指す第一生命
第一生命は50歳以上の営業職を除く社員を対象に、4000人規模の希望退職者の募集を行いました。これだけ大規模なリストラに踏み切っているものの、足元の業績は決して悪いわけではありません。2025年3月期の純利益は前期比33.9%増の4296億円。いわゆる黒字リストラです。
人員削減の背景には非保険領域の強化があります。
第一生命は2024年度から2026年度までの中期経営計画において、2026年度に実現したい姿の1つに「保険サービス業への変革に向けた基盤構築」を挙げました。そして、非保険領域の拡大を行い、2030年度にグループ修正利益における10%規模まで成長させることを目指すとしています。
2023年に官公庁や企業の福利厚生業務の運用代行を手がけるベネフィット・ワンへのTOBを発表。ベネフィット・ワンは医療情報サービスのエムスリーが買収を仕掛けて争奪戦になりましたが、第一生命が高値を提示して競り勝ちました。
2025年10月にウェルス・マネジメントと資本業務提携契約も締結しています。これにより、ウェルス・マネジメントを持分法適用会社に。この会社はホテルの開発・運営など不動産事業が中核であり、これも非保険領域の拡大を目指した動きです。
◆年功序列型制度の廃止に動いた
会社が大きく変化する中で、第一生命は2027年4月を目途に人事制度を刷新する計画を立ち上げました。年齢や職種にとらわれない、役割・成果や専門性と連動した処遇を重視するのです。50歳以上と比較的年齢が高い従業員の中には、変化のスピードについていけない人も出てきます。この大規模なリストラは、新事業を成長させる中で年功序列という旧来型の組織を変えるためのもの。
第一生命以外の多くの企業も成果や人材の専門性を重んじるようになってきた今、同じようなリストラに取り組む事例が出てくることを示唆しているようです。

