◆業績が回復しないジャパンディスプレイ
ジャパンディスプレイは業績が回復しないという、ド直球とも言えるリストラ策。すでに11期連続の赤字であり、今期も上期は113億円の純損失。2025年3月に鳥取工場での生産を終了。2026年には茂原工場を閉鎖してデータセンターに転用するなど、コスト構造の転換を急ピッチで進めています。
ソニー、東芝、日立という日本を代表する電機メーカーのディスプレイ事業を統合して生まれた会社で、設立には官民ファンドである産業革新機構が関わりました。いわば国策とも言える会社。Apple向けのディスプレイとして存在感を発揮し、2014年に株式を上場。売上は右肩上がりで2016年3月期に9890億円のピークに。しかし、これを境に減収へと転じました。
これはスマートフォンのディスプレイの主役が有機ELに切り替わったためで、サムスンやLGにシェアを奪われたのです。現在は自動車向けの小型ディスプレイなどを中心に製造していますが、2025年3月期の売上高は1880億円。全盛期の1/5ほどにまで縮小しています。
◆構造改革を進めても損失を埋められない
2025年7-9月における、鳥取・茂原工場生産終了の数量減は、43億円の営業利益下押し要因になっています。一方、工場の閉鎖と人員削減による構造改革により、61億円の改善効果が生まれました。従って、18億円のリストラ効果を生んでいるのです。しかし、この四半期の営業損失額は53億円であり、まだまだ大きな穴が開いているというのが正直なところ。
非常に厳しい戦いを強いられており、中期的な人員削減が続くことも予想できます。
なお、ジャパンディスプレイに出資をしていた産業革新機構(現在のINCJ)は、ジャパンディスプレイの全株をすでに売却しているものの、1547億円の損失を出したことが明らかになっています。

