ずっとチョコを食べていたい。でも健康でいたい。
そんなわがままから生まれたのが、大阪・堺の住宅街にひっそり佇むチョコレート店「HIPPO to MOCA(ヒッポトモカ)」。管理栄養士の資格を持つ25歳のオーナー・平田朋佳さんが、独自の発想と探究心で作り出すのは、まさかの「野菜の味がしないチョコレート」!?今までにないチョコレートの可能性に、きっとあなたも驚かされるはず。
チョコに人生を捧げた25歳。偏食女子が作る、小さな革命のはじまり
「HIPPO to MOCA(ヒッポトモカ)」は、堺東駅から徒歩15分ほど。宿院の交差点近くの住宅街にひっそり佇む、小さなチョコレートと米粉シフォンケーキのお店です。

お店を切り盛りするのは、25歳のオーナー・平田朋佳さん。ふんわりした雰囲気の若い女性…と思いきや、話し始めるととにかく“チョコの話”が止まりません。

「朝ごはんにチョコレートを食べていました。しかもずっと!」
その偏愛ぶりは子どもの頃から。海外で過ごした幼少期、チョコレートは身近だったものの、日本のチョコレートは憧れの存在。帰国後、近所のコンビニに並ぶアポロやきのこの山に夢中になり、お小遣いで買い漁る日々が始まりました。新作のチョコ菓子を常にチェックしまくっていたら、いつの間にか友達の間で「チョコの人」として認知され、気づけばインスタグラムでチョコアカウントも開設。


でもある日ふと「このままずっとチョコ食べてて、大丈夫…?」という不安がよぎったそうです。そしてたどりついた答えが…「チョコで栄養が摂れたら、長生きできる」。そんな正直すぎる欲望から、なんと管理栄養士の資格まで取得(野菜嫌いなのに…!)。
チョコレートをサプリのように食べられるようにしたい──それが「HIPPO to MOCA」誕生の原点でした。
野菜の味がしないチョコを目指して。諦めなかった、研究の日々
そんな平田さんが目指したチョコレートは、「野菜の栄養は残す」「野菜の味はしない」「色はキレイに残す」「パウダーNG、生野菜を使う」という高すぎる理想。

プロのシェフに相談しても、「野菜の水分が残るから難しい」と一蹴されることがほとんど。それでも平田さんは、「味を感じさせずに、栄養と色味だけを残す」という唯一無二の理想を追いかけ続けました。

諦めずに独学で研究を重ねた結果、ついに「ビーツのボンボンショコラ」が完成。今年のバレンタインシーズン限定で、店頭に並びます。

栄養素を残すため低温で長時間蒸した後、皮を剥いてから裏漉し。茎の部分まで使って丁寧に作られたフィリングは鮮やかな赤紫色。でも、口に入れると「美味しいチョコ」。土っぽさも青臭さもまるでありません。

本人いわく、「素材の味がしないなんて、農家さんにとっては複雑かもしれないんですけど(笑)…私にとってはこれが正解なんです」。このストイックさは、チョコを愛する偏食家ならでは。にんじんのショコラも実現済みで、現在は“きゅうり”にも挑戦中とのこと。チョコで1日分の野菜が摂れる未来も、そう遠くないかもしれません。