◆降りる人の流れを止めてしまう迷惑行為
一方、加藤浩紀さん(仮名・20代)も、朝の満員電車でドア地蔵に遭遇し、イライラした瞬間があったという。電車が駅に到着し、多くの人が一斉に降りようと動き出したタイミングだった。
「私の前にいた男性だけが、まったく動かなかったんです。普通は一度外に出て、通路をあけますよね。でも、その人はイヤホンをしたまま、スマホを見て固まっていました」
わずか数秒の行動が、車内の混乱を招いたようだ。
「降りる人がつっかえて押し合いになるし、私も後ろから押されてバランスを崩しそうになりました。でも本人は、“自分には関係ない”という顔で突っ立っていました」
降りる人たちは仕方なく、体をねじりながら“その男性”を避けて下車することに。そこだけ人の流れが途切れ、車内はしばらくざわついていたそうだ。
そして、混乱の余韻はその後も残っていたという。
「男性が降りた後も、どことなく空気がピリついていましたね。なんとなく落ち着かない感じが続きました」
乗り換え駅に到着し、乗客が一気にホームへ流れ出たところで、ようやく体の緊張がほどけたそうだ。
電車では個人のマナーが大いに問われる。だが、不快に感じても声をあげにくい空気があるのは事実だ。自分の何気ない行動が周囲の迷惑になっていないか、あらためて意識する必要があるだろう。
<取材・文/chimi86>
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

