昨今、感度の高い20代・30代の若手シェフたちが、東京の食シーンをけん引し始めている。彼らは厨房を離れてもなお、自らの感性を磨き、日常を楽しむことに余念がない。
『ØC tokyo』の田井將貴さんを追うと、令和を生きる新しいシェフ像が見えてきた。
大阪府出身、2025年に30歳を迎えた。18歳から毎年イタリアへ食探求の旅に出かける。
長野・佐久の『職人館』、目黒『Kabi』、デンマークの『Ando』などで腕を磨き、『ØC tokyo』のシェフに。
シェフ業にとどまらず、DJイベントでフードを手掛け、仲間とホームパーティを開き、はたまたモデルも……。
朝昼はクレープが人気のカフェ、夜は有機野菜を使ったコースを堪能できる『ØC tokyo』のシェフ・田井將貴さんの日常は、とにかく充実している印象だ。
「この生活はデンマークでシェフをしていた頃から。行きつけの店があったり仲間に料理をふるまったりと、自分にとって心地良い場所と時間を大切にしてきました」と田井さん。
店以外の活動は「“楽しそう”と思ったらやる」がポリシー。目黒の『Kabi』時代から仲のいい同業のシェフや、そこに集まる若手クリエイターを通じて繋がった友人も多く、料理に限らず音楽やファッションなど感度や波長の合う仲間に囲まれている。
一方で、田井さんのシェフ人生に影響を与えた、佐久にある蕎麦の名店『職人館』の師匠との交流も欠かさない。
日常で感性を磨くインプットがあるからこそ、人を引きつける料理が生まれるのだろう。そういう若手シェフが料理の既成概念を壊していく。
『ØC tokyo』
代々木上原と笹塚の間に佇み、シュガーバターのシンプルな「クレープ」(¥1,200)がシグネチャー。
ディナーは季節の有機野菜を使ったコース(¥7,500)も。


