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6000人を捕まえた万引きGメンが「この人はやるな」と判断するポイントとは…セルフレジ導入で“新たな手口”も急増――週末ベスト

6000人を捕まえた万引きGメンが「この人はやるな」と判断するポイントとは…セルフレジ導入で“新たな手口”も急増――週末ベスト

◆防犯効果は乏しい盗難防止タグ

——お店が対策として講じる監視カメラや盗難防止タグなどは抑止にならないのですか?

伊東:
盗難防止タグは、本気で万引きしようとする者からすれば、割と簡単に突破できる仕掛けです。「盗難防止タグがあるから大丈夫」と油断してしまうと、かえってつけこまれます。実際にそういう店は万引きが多いです。

それに、防犯ゲートが鳴っても、店員が即時に駆けつけられる体制の店は、そう多くはないと思います。私は、10年以上前から万引き防止に関する講演を各地でさせてもらい、そこでは不審者の見極め方とともに、声かけや牽制の必要性を訴えてきました。でも、従業員の負担が増すし、何より恐怖心もあるので、なかなか実践が伴っていないのが実情です。


◆万引きも時代を反映する

セルフレジ
写真はイメージ
——コロナ禍以降、万引きの様相も変化したと聞きます。目立った変化として、どんなことが挙げられますか?

伊東:
セルフレジを導入した店が増えていますよね。それで、スキャンしたふりをして商品を盗む者が多くなっています。店員や保安員に見つかっても、言い訳をちゃんと考えているから始末が悪いです。それから巧妙化といいますか、かつては1地域内の数店舗を狙う者が多かったのが、1都5県ぐらいにわたって万引きをして、警察の網にかかりにくくするなど、頭を使って犯行に及ぶ者が増えています。

それと、少年の万引きも増えています。親の経済力が低下したからだと思いますが、お小遣いが減ったというのが直接の理由。でも、親が身柄引き受けに来ないとか、関係が希薄なことも背景にあります。ひどいのになると、10代で戸籍を抜かれていて、親に連絡しても「もう関係ないから」と言ってくることもあるんです。

 *  *  *

 万引きの実態は、一般の人が想像する以上に多様で深刻だ。高齢者や外国人グループ、さらにはセルフレジを悪用する巧妙な犯行まで、時代の変化に合わせて形を変えている。しかし伊東さんが語る「裏側」は、これだけでは終わらない。

 次回は、内部の従業員による犯行や、身の危険に直面した体験など、普段はなかなか知り得ないエピソードを掘り下げていく。

取材・文/鈴木拓也

【伊東ゆう】
1971年、東京生まれ。万引きGメンを主業としながら、映画「万引き家族」(是枝裕和監督)などの監修、「店内声かけマニュアル」(香川県警)の企画制作などにも尽力。テレビ番組の出演多数。著書に『万引き老人』(双葉社)、『万引き 犯人像からみえる社会の陰』(青弓社)、『出所飯』(GANMA!)などがある。
X:@u_ito

【鈴木拓也】
ライター、写真家、ボードゲームクリエイター。ちょっとユニークな職業人生を送る人々が目下の関心領域。そのほか、歴史、アート、健康、仕事術、トラベルなど興味の対象は幅広く、記事として書く分野は多岐にわたる。Instagram:@happysuzuki
配信元: 日刊SPA!

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