お酒を飲む、空間に浸る、店員との会話を楽しむ……。それだけではないバーの在り方が多角的に広がった2025年。
従来のバーにはあまりなかった体験が待ち受ける個性的な4軒から、バーの新潮流を紐解いてみた。
ニューメキシコや南カリフォルニアの雰囲気をイメージした珊瑚色の空間。客層は日本人と外国人が半々で、スタンディングのカジュアルな雰囲気が相まって、隣の客と気軽に会話が始まるのも醍醐味だ。周辺に住む客は、仕事帰りだけでなく、子どもを連れてママ友と立ち寄る人も多いとか
異国情緒漂う洒脱な店内で、新たなつながりが生まれる
バーといえば待ち合わせや2軒目での利用が多いが、ここをメインに据えたくなるスポットが続々と誕生したこの1年。
従来のクローズドなバーの印象を変えたのが目黒の『wine bar juni』だ。姉妹店のレストラン『Locale』が、誰でもふらりと立ち寄れるバーを開店。
国内外のチーズが日替わりの「チーズ盛り合わせ」(1種類¥1,400~)は、オレンジワイン(グラス¥1,300~)と相性抜群。ワインのほか、クラフトビールやモクテルもある
ナチュラルワインがメインの店だが、子どもやペットもOKな“オープンで気軽に行ける空気”は、新たなバーの姿といえる。
2.カルチャーとの好相性で趣味を深められる店も続々
『日 酒場』@池尻
白ジャケット姿でカウンターに立つ料理長・西田憲哉さんは、門前仲町『酒肆 一村』の出身。ビーフンや焼売などの料理も絶品で、バーと酒場のいいとこどりを楽しめる
建築、音、酒。足を運ぶ理由が豊富な店がマニアに刺さる
池尻大橋の『日(ひ)』は、日本酒をトニックで割ったり、すだちを絞ったりなど、“日本酒遊び”なる提案が楽しい。
フレッシュなすだちを使う「すだちロック」¥900。スルスル飲めるほど爽やかで日本酒入門にもオススメ
レコードが流れる空間では音楽イベントや酒器の展示会も開催され、酒+αのカルチャーを発信している。
3.お酒をストーリーで楽しむ「カクテルコース」という新機軸
『SODDEN FROG』@麻布台
バーガンディカラーの空間は、“アマゾンにいる毒ガエル”をイメージ
複数の味と物語が折り重なる渾身の一杯が、グルメを虜にする
食通の間で話題となったのが『SODDEN FROG』。
『フロリレージュ』出身のメンバーが手掛ける、カクテルをコース仕立てで楽しむ提案が、訪れる客を魅了している。
バーテンダーの髙田真之助さんは、『フロリレージュ』で培ったミクソロジーの技術と哲学を一杯に表現。
「カクテルコース」(4杯¥8,000)は、写真左から順に1杯目、シシトウを漬け込んだジンとザクロのジュース、ビターリキュールを合わせたカクテル。
続いて、日本酒と蕎麦茶を漬け込んだブランデーに、乳酸発酵させたシャインマスカットが絶妙なハーモニーを生むカクテル。
3杯目は“お椀”をイメージし、2種のウォッカにココナッツとカブのジュースを合わせている。
「抹茶」を連想させる4杯目。すじ青海苔を漬け込んだジンがベースで、磯の風味や柚が香る。
このほか、ミクソロジストの児島由光さんによるモクテルも魅力的。
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同門の阿久津一輝シェフによるおつまみも遊び心満載で、レストラン発ならではの“ガストロノミーバー”という新ジャンルを打ち立てた。
4.古き良き建物をリノベした個性派お洒落BARが増えている
『はな』@渋谷
渋谷のんべい横丁内、約60年続いた焼き鳥店の跡地に誕生。ニッチフレグランスのセレクトショップ『NOSE SHOP』が手掛ける同店は、香水とお酒とのペアリングを提案している
香りと美酒に没頭できる空間で、忘れられない体験に魅了される
渋谷のんべい横丁にある『はな』は、“香り”にフォーカス。
“ボタニカルシロップ”の「草譯」を使ったジントニック「草譯オリジナルカクテル」¥1,200。「mitosaya薬草園蒸留所」代表の蒸留家・江口宏志さんが監修する季節限定のドリンクも絶品
季節ごとに香水のノートからインスピレーションを得た香り豊かなドリンクと、それに寄り添うおつまみで、味覚と嗅覚の調和を体験できる。
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アップデートが進むバーの数々から、2026年も目が離せない。
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