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よく“目が点になる”という表現があります。とても驚いたり、呆れたりした時などによく使われる表現です。
今回のエピソードは、自身の駐車スペースを隣人が勝手に占拠していたという、信じがたい内容です。一体何の目的で誰がそのような行為をしたのでしょうか。

◆「もしかしたら…」妻のひとことから始まった違和感
横浜・山手の高台にある築10年ほどの中規模マンション。その一角に住む平林さん(仮名・37歳)は、精密機器製造工場の研究員として働いています。勤務地は神奈川県の山奥で車通勤です。朝は6時過ぎに出発し帰宅は20時前後になるといいます。「通勤が車なので、マンションの専用駐車場は契約時にしっかり確保していました。機械式ではなく出し入れが楽な平置きタイプで、我が家からも見通せる位置にあるので安心です」
3歳の娘と専業主婦の妻と暮らす平林さん。ある晩、仕事を終え帰宅して晩酌をしていたところ、妻からこんな話をされたそうです。
「あなたの駐車場にね、時々赤い軽が停まってるの。ベランダから見える範囲だから、もしかしたら違うかもしれないけど、どうもあの場所っぽいのよ」
平林さんの帰宅時間には常に空いているはずの自分のスペース。実際、自身が帰ってきた際に別の車が停まっていたことはなかったため、「見間違いじゃないか」と、当初は深く気に留めなかったといいます。
◆まさかの現行犯──その日、赤い軽はそこにあった
転機が訪れたのは、都内で開催された技術者向けセミナーに出席する日のことでした。午後からの開催だったため、昼過ぎに一度帰宅し、自家用車を置いて電車で会場に向かう予定だった平林さん。ところが、マンションに戻ると、信じられない光景が目に飛び込んできました。「自分の駐車スペースに、赤い軽自動車が停まっていたんです。一瞬、場所を間違えたかと思って番号を二度見しましたが、間違いなく自分の区画でした」
時間に余裕もなく、その場で車の持ち主を探すのは断念。やむなくそのまま自分の車で首都高に乗りセミナー会場へ向かいますが、内心は不快感と怒りでいっぱいだったそうです。
「これは一時的なことではないな、と直感しました。妻の言っていた“時々”という言葉も頭をよぎりました」
この一件で、平林さんの中のスイッチが入りました。

