◆「昼間は使わないでしょ?」……開いた口が塞がらない瞬間
後日、有給休暇を取得した平林さんは、昼間の駐車場の様子を自宅から見張ることにしたそうです。そして、例の赤い軽が再び現れるのを確認すると、現場へと急行したのでした。「ちょうど午前11時すぎでした。車がスッと入ってきて、迷いもせず私の区画に停めたんです。運転席から出てきたのは、隣に住む年配の女性でした」
すぐさま駐車場へと向かった平林さんは、車の横で女性に声をかけました。
「ここ、私の契約スペースなんですが」と告げると、女性は一瞬きょとんとした後、こう言い放ったといいます。
「でもあなた、昼間は使ってないでしょ?」
予想の斜め上をいく返答に、平林さんも一瞬言葉を失ったそうです。
「いや、使ってないからといって他人が勝手に使っていいなんて道理はありませんよ。契約している場所ですし、急に戻ってきたらどうするんですか」
「はいはい」といった態度で、そそくさと車を移動させた女性でしたが、その表情からはまったく反省の色は見えなかったといいます。
◆証拠を押さえて反撃開始
このまま放っておいてはまた同じことが起きる──。そう考えた平林さんは、マンションの管理組合に相談を持ちかけました。理事長と連絡を取り、防犯カメラの映像を確認してもらうことに。結果は想像以上でした。「平日のほとんど毎日、10時頃から15時頃まで、あの赤い軽が停まっている映像がしっかり残っていました。明らかに“常習”でした」
管理組合と理事長の協力を得て、その女性に正式に警告がなされ、あわせて不法使用期間中の駐車料金相当額も請求。具体的な金額は明かされませんでしたが、平林さんいわく「それなりの金額になった」そうです。
その後、赤い軽が平林さんのスペースに停まることは一切なくなったといいます。
「妻と娘の安心のためにも、あのまま黙っていたらダメだったと思います。権利を主張するのは悪いことじゃないと、今回あらためて実感しました。でも、世の中にはこうも図々しい人がいるんですね」
<TEXT/八木正規>
【八木正規】
愛犬と暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営

