「不動産売却は資産を減らす判断」タワマン建て替えの権利を「5000万円で売るか否か」の決断を迫られた時

「不動産売却は資産を減らす判断」タワマン建て替えの権利を「5000万円で売るか否か」の決断を迫られた時

◆売却することで生じる損失

物件を売却するというのは「資産を減らす判断」です。だからこそ「賃貸に出して居住者に住んでもらって稼ぐのがよい」と感じました。

株式投資でも同じですが「利益確定」は一番難しい判断です。なぜなら、当たり前のごとく未来は分からないから。現在「5000万円で所有権を買い取ってくれる」というのは分かっていても、この先上がるかも知れないし、下がるかもしれません。ただ、売却して利益を確定させたら「税金」や「仲介手数料」などを確実に支払わなければならない分、資産は減るのです。

「5000万円で売れる」ということは、いくらで手に入れたものであっても、現在の価値は5000万円なのです。投資に取り組む際、つい利益に目が眩みこの真理を忘れてしまう方が多いように思います。

もし3000万円で購入したものが5000万円で売れるのであれば、みなさんは「2000万円の利益が出た!」と考えるのではないでしょうか。しかし売却のタイミングでは「5000万円の価値の『不動産』が、5000万円の価値の『貨幣』に変換された」だけなのです。元々持っていた「含み益」の2000万円が表面に現れ、その利益に税金がかかり、結果として自身の時価での資産規模が小さくなると私は考えます。

「所有している不動産を5000万円で売却できる」と聞くと、売却すれば色々なことができるでしょう。お金は使ってこそ価値があるもの。「何か購入したいもの」「やりたいこと」のためにお金が必要であれば売却するのはよいと思います。

しかし、「儲かるから」という観点だけで判断するのであれば、その判断の前に「元々その価格で売れるものを所有している」「利益が出たら税金を支払う必要がある」「その支出分、資産価値は減ってしまう」ということを思い出し、手に入れたお金は有意義に使って欲しいと願っています。

<構成/まてい社>

【村野博基】
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。その投資の担保として不動産に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち19区に計38戸の物件を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。著書に『戦わずして勝つ 不動産投資30の鉄則』(扶桑社)、『43歳で「FIRE」を実現したボクの“無敵"不動産投資法』(アーク出版)
配信元: 日刊SPA!

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