
肥満解消と脂肪肝・糖尿病改善のための専門外来「スマート外来」の担当医である尾形哲氏は、ダイエットについて「最初の1ヵ月を集中して取り組むことが大切」だといいます。では、具体的にどうやって頑張ればよいのでしょうか。尾形ドクターの著書『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす7日間実践レシピ』(KADOKAWA)より、肝臓の脂肪を落とすための「食べ方ルール」と、ダイエットの落とし穴になりがちな「飲み物」に関する注意点を紹介します。
食べ方ルール「タスキの法則」で肝臓の脂肪を落とす
ダイエットを始める方にお伝えしているのが、とにかく“最初の1ヵ月を集中して取り組む”ということ。1ヵ月間で減量が成功すると、3ヵ月後に目標の体重まで減量しやすいという確かな実績を得たからです。
どこぞのCMではありませんが、結果にコミットするためには、「短期間」で、経過を「数値化」して、「記録」することが大切だと考えています。これらの頭文字をとって、「タスキの法則」と覚えてください。
1年間かけて6kg減らすより、3ヵ月で6kg減らして維持するほうが、血糖値を一定に保つ「耐糖能」が改善するというデータもあります。
「数値化」とは毎日体重を量ること。「記録」はそれを目に見える形で残すことです。変化が見られたときは大きな励みになりますし、うまくいかないときはやり方を見直すきっかけにもなります。以下の「目標体重の決め方」を参考に減量目標を決め、まずは1ヵ月間全力で取り組んで。
「タスキの法則」を成功させる目標体重の決め方
体重を7%減らすと、肝細胞から脂肪が減少すると報告されています。
減量目標は、現在の体重から7%減らすこと。
目標は7%の体重減……減量目標(kg)=現在の体重(kg)×0.07
(例)現在80kgの人なら……80(kg)×0.07=5.6(kg)
基本の考え方
1ヵ月で2kgの減量を3ヵ月
1・2・3の法則
スマート外来では、原則として「1ヵ月で2kg減量、それを3ヵ月継続して6kgの減量を達成し、6ヵ月維持する」ことを目標にしています。1ヵ月で減らす体重は、ムリせず2~3kg以内にとどめることが大切です。
飲み物は水、お茶、ブラックコーヒーに
ダイエットの落とし穴になりがちなのが、実は飲み物です。「甘い飲み物はそんなに飲んでいない」という人でも、“健康のため”と野菜ジュースや果汁100%のジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料などを積極的にとっていたりしませんか? これらの飲み物には、糖分がたっぷり含まれています。
ちなみに、ゼロカロリーだから「ダイエットコーラなら大丈夫!」というのも勘違い。ゼロカロリー飲料に含まれる人工甘味料は砂糖ではありませんが、脳で甘みを感じます。こうした飲料をとると食欲が増すだけでなく、腸内環境を悪くすることもあります。
飲み物のルールは“砂糖なし、人工甘味料なし”です。水、お茶、ブラックコーヒーに限定しましょう。
体重を落としたいあまり、水分を控える人がいますが、代謝を上げて排泄を促すために、水分摂取は大切です。食事以外で1~1.5ℓとるのが目安です。
体によさそうな飲料でもNGな理由
体にいいと思って飲んでいるその飲料は、実は肝臓にダメージを与えています。
ありがちな誤解と、飲まなくていい理由を解説します。
誤解①野菜ジュースで野菜不足を解消!
野菜をとってほしいのは、豊富な食物繊維を摂取するため。野菜ジュースでは食物繊維が大半取り除かれているため、野菜代わりにはなりません。糖分も含まれるので、避けましょう。
誤解②熱中症予防にはスポーツドリンク
熱中症予防にスポーツドリンクを飲む人がいますが、500㎖のペットボトルにシュガースティック約10本分(=約30g)の砂糖を含有。がぶ飲みすれば、血糖値は急上昇。麦茶で十分です。
誤解③腸活になるから乳酸菌飲料を飲む
腸内環境をよくするために乳酸菌飲料を飲む人がいます。腸内細菌を活発にする効果は考えられますが、肝臓のためには避けましょう。乳酸菌飲料には、砂糖が大量に含まれています。
誤解④ゼロカロリー飲料はダイエット向き
減量中でもダイエットコーラならOKという考え方は危険。甘いゼロカロリー飲料には人工甘味料が使われていて、摂取カロリーはゼロでも、腸内環境を悪化させることもあります。
尾形 哲
長野県佐久市立国保浅間総合病院
外科部長/「スマート外来」担当医
