なにかの間違いでは…年金月18万円の68歳男性、日本年金機構から毎年1月に届く〈青色のはがき〉で知ったまさかの事実【CFPが「公的年金等の源泉徴収票」のポイントを解説】

なにかの間違いでは…年金月18万円の68歳男性、日本年金機構から毎年1月に届く〈青色のはがき〉で知ったまさかの事実【CFPが「公的年金等の源泉徴収票」のポイントを解説】

原因は「出し忘れていた1枚の書類」

寝無勤さんから一連の経緯を聞いたFPは、年金減額の原因についてある可能性を口にします。

「寝無勤さまは『扶養控除等申告書』の手続きを忘れていたのではないでしょうか?」

「扶養控除等申告書」とは、公的年金の受給者に対して、毎年9月ごろに日本年金機構から届く書類です。配偶者控除や扶養控除など、該当する控除がある場合は、内容を記入して提出する必要があります。

もしこの申告書を提出していない場合、原則として基礎控除しか適用されず、その結果、所得税が多く計算されてしまう可能性があるのです。

さっそく源泉徴収票を確認したところ、配偶者の有無の欄にチェックが入っておらず、配偶者控除が適用されていませんでした。

さらに注意が必要なのは、この源泉徴収票の内容が、住民税の計算にも反映される点です。

住民税は6月に金額が見直され、これは源泉徴収票の情報をもとに算出されます。そのため、所得税だけでなく住民税にも影響するのです。所得税と住民税を合わせて、年間で10万円近く差が出るケースもあります。

「たしかに、書類が届いていたような。なんだか難しそうで後回しにしているうちに、出し忘れてしまったのかもしれません……もうどうにもなりませんか?」

書類を出し忘れたときの“救済策”

心配そうな寝無勤さんに対して、FPは次のように説明しました。

「いまからでも扶養控除等申告書を改めて提出すれば、遡って税額を再計算してもらえることがあります。住民税についても、管轄の役所に申請すれば対応してもらえるケースがありますよ。確定申告による対応も可能です」

またFPは、「寝無勤さんと同居している無職の娘も、扶養控除の対象になる可能性がある」といいます。

配偶者控除に加えて、娘の扶養控除も適用することができれば、寝無勤さんの税負担はさらに軽くなりそうです。

書類の「見落とし」「出し忘れ」が年金額を左右する

今回のように、毎年届く書類をなんとなく見過ごしてしまうことで、気づかないうちに税負担が増えてしまうケースは少なくありません。

公的年金は、老後の家計を支える重要な収入です。手続きの見落としによって不要な税負担が生じないよう、届いた書類は必ず確認しておきましょう。

辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP

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