北口家の「その後」
年金と和樹さんからの仕送りを合わせ、月26万円で生活していた清一さん夫婦。しかし、和樹さんからの“最後通告”を受け、あわてて資金繰りを見直すことにしました。
定年後に始めた清一さんのスポーツクラブや、理恵子さんの手芸教室を辞め、さらに外食の回数を減らせば、年金の範囲内で暮らすことも不可能ではありません。
しかし、「生活レベルを大きく落としたくない」というのが夫婦の本音。そこで清一さんは、アルバイトを始めることにしたそうです。スポーツクラブの仲間から紹介された仕事で、市の施設の管理業務。週2日働いて、月4万円ほどの収入になります。
息子の和樹さんに報告すると、「もし本当に困ったら相談してくれ」と言われたそうです。関係が完全に元通りになることはありませんが、歩み寄れる余地が残っていることに、ほっと胸をなでおろしました。
和樹さんには、いま守るべき新しい家族がいます。その姿を見て、清一さん夫婦はようやく気づきました。
「これからは、子どもに頼らず、自分たちの足で立っていかなければならない」
その思いを胸に、夫婦は前を向き始めたのでした。
山﨑 裕佳子
FP事務所MIRAI
代表
