◆人を侮辱するのもいい加減にしろ
筆者は、とにかく頭にきて仕方なかった。しかし、“店員として”冷静につとめなければならない。まず、客を突き飛ばしたり、胸ぐらをつかんだりする行為はいかなる場合もダメである。警察官に聞くと、客が暴力をふるうケースは多いらしいが、そのようなときは取り押さえるしかない。
また、いくら相手に罵られても同じように侮辱的な言葉で返してはいけない。たとえば、「お前みたいな老害が世の中を悪くしている」「そんな歳して恥ずかしくないのか?」などとは、決して口に出してはならないのだ。
そこで筆者は、年配客の前に立ち、じっと目を見ながら言った。
「もう帰ってくれ」
何か言い返してくると思ったが、彼は目をそらすと、下を向いたまま黙っている。
「人を侮辱するのもいい加減にしろ。こっちだって一生懸命働いているんだよ」
先ほどの威勢はどうしたのか。彼は頭を下げて詫びたのだ。
「どうもすいませんでした。私が全部悪かったです」
本当に反省しているのかはわからないが、それ以上どうすることもできない。筆者の怒りは収まらなかったが、レジに戻ってタバコの補充をすることにした。
年配客は帰り際にも謝ってきたが、どこかやるせなさを感じた日だった。
<文/浜カツトシ>
―[大好評記事・漫画版]―
【ハッシー橋本】
愛知県出身の漫画家。パチンコ・パチスロ漫画を中心に活躍し、‘15年より月刊ヤングマガジンで連載を始めた『賭博黙示録カイジ』のスピンオフ『中間管理録トネガワ』が大ヒット。サウナとビールの愉悦を描いた『極上!サウナめし』はサウナ好き必見の一冊 X(旧Twitter)@hashimotosan84

