◆一括りにされたくないから、独自の個性を貫く

車太郎:例えば、素行の悪い人がいたら「だから○○の人は」って属性を使って非難されたりしますよね。みんな他者をカテゴリで見てしまうので、そこは気を使いますね。
坂井宣大:ただ、各方面を気にしすぎると面白さも減ってしまうので、まずは気にせずに作ってから、その後どう考えるかですね。
車太郎:思いっきりはやるんですが、「常に迷っておく」ことは大事だと思っています。思い切りながらも最大限の配慮を。
ーー R-1王者の濱田祐太郎さんは盲目です。カテゴライズという意味では「障がいのある芸人さん」と一括りにされてしまうことはありませんか?
車太郎:濱田さんがR-1で優勝された頃は、ネタ見せに行くと作家さんなどから「濱田君はこうしてた」と言われることが多かったですね。僕からしてみると、細かいところは全然違うのにと思うんですが。
ーー個人として見てもらえてない感覚ですかね。
車太郎:ただ、苦労を重ねてチャンピオンにまでなられているので、濱田さん自身のことは、ひたすらかっこいいなと思います。
◆メッセージより笑い。芸人としての純粋な欲求
ーー芸人として「ただただウケたい」という気持ちが根底にあるはず。でも、世間は「障がいを乗り越えて」とか「差別のない世の中に」のような、真面目なメッセージを乗せてセンチメンタルな方向に引っ張りがちでは?車太郎:それはあって、いつも抗おうとしていますね。
ーー実際のところ、「障がいのある人も生きやすい社会を」という主張を伝えたいですか? それとも、シンプルに笑ってほしいですか?
車太郎:「誰かを楽にしよう」という思いを念頭に置いてはいませんね。でも、自分がやりたいことをやって、結果的に楽になってくれる人がいるなら嬉しいです。
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“普通との違い”を武器にすることへの覚悟と執念。ようやく車輪が噛み合い始めた爆走マシンは、これから唯一無二の走りを見せるのではないか。さらなる活躍に期待が高まる。
<取材・文/Mr.tsubaking>
【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

