財産分与は「しない」が多数派!? 熟年離婚の実態
財産分与とは、離婚にあたって婚姻期間中に夫婦が築いた「共有財産」を分け合う制度だ。
浮気など非がある側の「有責配偶者」は慰謝料を求められるが、財産分与は非のあるなしに関係なく、原則として半分ずつ分ける。
ただ親から相続した遺産は、夫婦の協力とは無関係に形成された「特有財産」にあたるため原則、財産分与の対象にならない。
財産分与の認知度は必ずしも高くないようだ。法務省が21年、10年以内に離婚を経験した3060代の男女700人に行った調査で、財産分与の取り決めをしたかを尋ねたところ、約6割の人が「取り決めをしていない」と答えた。
その理由として「請求/支払いをする必要がないと思った」が5割超を占め、「相手から話し合いを求められなかった」「制度を知らなかった」と続いた。
分与の対象となる財産は、現金や不動産、退職金や保険金など多岐に及ぶが、完済前の住宅ローンなど「債務(負の財産)」も分け合うことになる。
法務省の調査では、「現金・預貯金」の分与額で最も多かった回答は「100万円〜500万円未満」だった。
[図表]財産分与の取り決めをした人の「現金・預貯金」の分与額出典:『ルポ 熟年離婚』(朝日新聞出版)
相手が財産を開示しない場合、裁判所から金融機関に照会をかけ、口座などの履歴を取得することもある。
財産分与の請求は離婚後でも可能だが、離婚から2年の期間制限があるため注意が必要だ。
朝日新聞取材班
