◆絶対に買わない「インソール前提で作られている靴」
中敷きを入れないと完成しない設計、とも言えます。誤解のないように先に書いておくと、インソールそのものを否定したいわけではありません。足の個性やトラブルに合わせて、「微調整としてインソールを使うこと自体は有効」です。ただし最近は、「最初からインソール使用を前提にしたような設計の靴」が増えています。履いた瞬間は問題なく感じても、中底の形状が平坦、踵周りの支えが弱い、アッパーのホールドが甘いなど、靴単体では完成度が低いケースも少なくありません。「この靴がなんか合いませんね」「インソールで解決できるんです」「じゃあお願いします」→「会計がびっくり価格」というケース、あるんです。言い方は悪いのですが、インソールで完成しないとゴールにたどり着けない、他に選択肢がないということは、個人的には「最初から完成度が低い靴」とも言えます。よほど困っている足なら話は別ですが、そこまで求めていないなら予算をはっきり決める、伝えるほうが悲劇は防げます。念のために言っておくと、ここに挙げた靴を履いている人を否定したいわけではありません。靴にも好みや事情がありますし、合っている人がいるのも事実です。ただ私は、自分のお金では買いません。靴選びで後悔する人が一人でも減れば、それで十分です。
【シューフィッター佐藤靖青】
イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます『シューフィッター佐藤靖青(旧・こまつ)@毎日靴ブログ』。著書『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』

