いつまでも輝く女性に ranune
満員電車、社畜生活からの解放…東京在住・世帯年収1,320万円だった30代夫婦、「地方移住」でのびのび快適な生活のはずが、待っていたのは「銀行からの残酷な宣告」

満員電車、社畜生活からの解放…東京在住・世帯年収1,320万円だった30代夫婦、「地方移住」でのびのび快適な生活のはずが、待っていたのは「銀行からの残酷な宣告」

理想の取捨選択

ローンが組めないという事実に、夫妻は愕然とします。そして、これを機に自分たちの将来計画を冷静にみつめ直した結果、たとえローンが組めたとしても、その後の生活が極めて厳しいものになることに気づきました。

「物価が安い」というのは、あくまで家賃や土地といった一部に限った話であり、光熱費等は東京と大差ありません。また、地方では車が必須なため、維持費が新たな負担としてのしかかります。子どもが県外の大学に進学する場合、仕送りの負担は遥かに重くなるでしょう。そしてなにより、世帯年収が4割近く下がっているにもかかわらず、将来的なキャッシュフローを意識できていなかった点が問題です。

審査に落ちたことで、夫婦はすべての希望を叶えることは不可能という現実に直面。そして、子どもの教育、住宅、趣味……どれを優先し、どれを諦めるのか、辛い取捨選択を迫られました。

Uターン移住で後悔しないために

最終的に、夫婦はマイホーム購入を諦め、当面は賃貸で暮らしながら、まずは教育費の準備を最優先することにしました。ナオキさんもカンナさんも趣味を諦め、節約に励みながら、年収を少しでも上げるために転職も視野に入れるように。

Uターン移住は、都会のストレスから解放され、親しみある地元で安心感のある暮らしできるという大きなメリットがあります。また、両親が協力的である場合、実家にも頼りやすくもなるでしょう。しかし当然ながら、メリットばかりでなく、現実的な移住後の暮らしをみつめる必要があります。生涯賃金が大きく下がるというデメリットを超える価値が本当にあるのか。移住を決断する前に、理想の暮らしと、そこにかかるお金の現実を冷静に計算し、家族で話し合うことがなによりも重要です。

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